「円周率」の魅力
「円周率暗唱:原口證さんが10万桁達成 世界記録を更新」(毎日新聞)など各所で取り上げられていますが、円周率記憶の世界記録が更新されました。
「円周率=円の周囲の長さを直径で割った値」ですが、現実の世界ではほんの数桁、IEEE-754 の拡張倍精度浮動小数の正確さを求める場合でも、せいぜい20桁の精度があれば十分です。しかし、19世紀に計算機を使わず生涯をかけて707桁まで計算したシャンクスから(528桁以降は間違っていた)、スーパーコンピュータを使って1兆桁以上計算した金田康正教授まで、この覚えても(計算しても)仕方がない数字の魅力にとりつかれる人は少なくありません。
「円周率を覚えて自慢する人が嫌い」(妻談)と言われる一人の私は、小学生の頃に15桁まで覚えて自慢していました^_^; しかし、中学生になったとき別のクラスに30桁まで覚えている人がいると知らされました。私が頑張って30桁まで覚えたころ、彼は100桁以上暗誦できました。卒業する頃には300桁くらいまで覚えていたそうです(レベルが全然違う話ですみません)。
今回、検索してみてわかりましたが、原口さんが円周率記憶への挑戦を決意されたのは、ほんの数年前だったようです。かなり前の2万桁記録のときにテレビで見た方かと思っていたのですが、それは友寄英哲さんという別の人でした。お二方とも「電機メーカー」の社員だったそうです。そして、原口さんもそうですが、友寄さんも語呂合わせで記憶されていました。しかも、テレビで見たときには「任意の桁の数字を思い出す」という特技を披露されていました(これは最初から順に思い出すより、ずっと難しい)。
原口さんは今回の10万桁をひと区切りとされるそうですが、いずれ円周率の魅力にのめりこんだ誰かが記録を更新するかもしれません。何世紀もの間、多くの数学者を引き込んできた「フェルマーの最終定理」ですら解決されてしまったのですからね。
原口證さんのサイトはこちら→ http://www.worldrecord314.com/