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フラッシュマーケティングやソーシャルコマースに関して現場目線でグダります。

グルーポンジャパンとKDDIの提携から妄想するソーシャルグラフというインフラ構築が加速する可能性

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ソーシャルグラフという名のインフラをご存知だろうか?

ソーシャルグラフに関しての詳細(その価値や可能性に関して)は、私の尊敬するループス斉藤さんのブログ記事を見てほしい。(参照1

ソーシャルグラフとは、日本語で言うと、「人間関係図」である。

今世界では、このソーシャルグラフのインフラ作りが盛んになされている。
巷で騒がれているFacebookも、このソーシャルグラフを形成しており、日本でも流行始めている。

このブログではソーシャルグラフの説明はさておき、"グルーポンジャパンとKDDIの提携から妄想するソーシャルグラフというインフラの構築加速の可能性"について述べることにする。(プレスはここから

Groupon_au


このソーシャルグラフは既に皆様がお持ちの携帯電話にて既に形成されていることをご存知だろうか?
携帯電話は「ヒトとモノのつながり」「ヒトとコンテンツのつながり」「ヒト、モノ、コンテンツの相関関係」それぞれを達成している。

但し携帯電話会社が保持するソーシャルグラフは、Facebookほど"(購買)行動を促進すること"は難しい。

というのも、Facebookではヒトの消費行動や活動を広めるというバズ効果(クチコミ効果)が起きやすく、携帯電話ではそれが起きにくいからである。

Facebookでは、"いいね!"ボタンを押すと「○○さんが「いいね!」と言っています。」というようなフィードが行く仕組みになっており、ヒトの行動が見えるからである。

もしくはFacebookのウォールに書き込むことも可能である。
携帯電話でFacebookの"いいね!"ボタンの機能を達成しようとすると、メールや電話でわざわざ友人に伝えなくてはならない。FacebookやTwitterで言う"呟き"をするには、自分の登録しているアドレス全員にそれをメールするのと近いものがあり、基本的にヒトはそれをしようとしない。

だがそれをヒトはFacebookやTwitterには書き込んだりするのだ。
それはFacebookやTwitterの気軽さからかもしれない。

さて、今回のグルーポンジャパンとKDDIの提携からどうして、ソーシャルグラフのインフラ構築が加速される可能性があるかを考察してみた。(※ここでの携帯はガラケーユーザーのニュアンスを若干意識して書くことにする。)



1.携帯電話→グルーポン→ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、mixi…)の流れ

まず、「グルーポン→ソーシャルメディア」の流れから説明をする。
グルーポンビジネスは、時間軸を取り入れたフラッシュマーケティングと共同購入と言った要素などがあるビジネスである。
半額のチケットを購入し利用するには、チケットの発動条件があり、購入者がある一定人数以上達していないと、そのチケットは販売されない。

例えば、5000円分の食事チケットを2500円で販売していたとして、チケット発動条件が"最低購入枚数が50人以上"であったとしよう。
まだ購入枚数が10人しかいなかったとして、私がそのチケットを2枚購入したとしても、まだ12枚。
どうしてもこのチケットを発動させたい私としては、自身が持つTwitterやFacebookで友人やそこで形成しているソーシャルグラフに、「どこどこのチケットが半額で手に入るよ!」と呟いたり書き込みをしたりして広め、最低購入枚数に達するようにするだろう。

これが「グルーポン→ソーシャルメディア」の流れである。
(そういった意味でグルーポンとソーシャルメディアの相性は非常によい。)

この流れがある中、今回の提携により「携帯→グルーポン」が可能となった。

そもそも各グルーポン系サイトは、「携帯→グルーポン」の流れを持っているところも多いが、KDDIと言う圧倒的なメディア(ポータルサイト)により、この流れを加速させることになる。

今までソーシャルメディアを知る由もなかったユーザーに対してのソーシャルメディアの認知、それを使用しようとする動機が一気に増すのである。



2.ヒトが肌身離さない携帯電話

ソーシャルメディアは携帯電話と繋がることで、その利用価値をさらに増すことになる。
何かにつけて、ヒトは時間がある時、携帯電話を開き、メールや携帯のコンテンツを見るという癖がついている。
そこに対して、ソーシャルメディアからの連絡(上記1で言えば私からの呟きなど)が携帯電話に飛び交うことになる。

友人の行動履歴やお勧めは見ると言った前提を置くと、その訴求力は物凄いことになるだろう。
何故なら友人は最高の営業マンだからである。

そんな携帯をヒトは肌身離さず持ち歩いており、歩くメディア状態と言っても過言ではない。
いつでもどこでも(圏外でなければ)呟けるのである。



携帯の普及率は90%以上(参照2)。

うちKDDI誇るauのユーザー数は3200万人強である。(参照3

これほどのユーザーに対してソーシャルメディアを使わせるような、グルーポンビジネスを持ち込めば、FacebookやTwitterなどのユーザー数も増えることは用意に想像がつく。


と考えるとNTT docomoやソフトバンクなどもKDDIのような可能性を秘めており、十分にグルーポンジャパンまたはグルーポン系サイトと手を組む可能性がある。

特にNTT docomoが提供している「iコンシェル」のようなソーシャルリコメンド機能にグルーポンが乗っかれば、さらにソーシャルグラフのインフラ構築は加速されるだろうと考えている。

私個人の考えとしては、ソーシャルメディア後進国である日本ではグルーポンビジネスは4マス等の古い広告に頼らざるを得ないところがあったと思うが、グルーポンと携帯電話会社が提携することで、この問題は解決されるのではないかと考えている。

日本のFacebookは当面ユーザーを増やすことをミッションとしているため、3000万人以上のユーザーを抱える携帯電話会社との提携はフェースブックジャパンからの後押しも得られるかもしれない。

皮肉なことに、Facebookユーザーが増えると、フェースブックフォンが流行りだし、ソーシャルグラフ上でメールや電話をやり取りするようになり、既存のdocomoやau、ソフトバンク(ここだけは例外かもしれない)は自らの首を絞めることになりかねない。

とにかく私はソーシャルグラフの形成を懇願しているため、今回の"グルーポンジャパンとKDDIの提携"がそれを加速させてくれるなら願ったり叶ったりだと思っている。

■プレス
・グルーポン・ジャパン株式会社、KDDI株式会社の業務提携について
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2010/1214/index.html
・グルーポンとKDDIが業務提携 - 連携サービス「au one クーポン」開始
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/12/14/087/

■参照元
1.「ソーシャルグラフ」ってなんだろう? - その意味やビジネス価値,争奪戦まで総まとめ
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/06/post-09c2.html
2.携帯電話の普及率
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6350.html
3.携帯電話契約数、au・ドコモが復調し、ソフトバンクは純増数30万を突破出来ず[TCA・12月まとめ]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101207-00000024-rbb-sci

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