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世界から憧憬される骨太なニッポンになろう。カリフォルニア発日本応援歌

プレゼンテーション成功の秘訣

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先日の国際人を目指す日本人大学生との対話の続きです。

パネルディスカッションの最後に、
「明日、日米未来フォーラムで発表するのですが、どうしたらあがらずにうまく発表できるかを教えてください。」
という質問が学生から出ました。

パネリストA氏は普段から投資家を相手にプレゼンしている人ですし、起業家M氏はプロの漫才師になれるほどユーモアたっぷりで聞く話の全てが爆笑となるカリスマ営業マン。K校長は生徒や父兄を対象にお話されるのが仕事です。フリーランスジャーナリストのT女史も講演は大得意。

プレゼンのベテランが教授した極意とは、、、、。

1. 主旨・結論(コンテンツ)を明確に。

まず何について情報発信するのか、コンテンツをしっかりと見極め絞りこむこと。
情報のテンコ盛りは話を希釈してしまい、要点がぼやけてしまいます。結論・主旨を明確にすることがまず一番重要といえるでしょう。


2. 相手を知る。

オーディエンスは、自分が発表しようとしているトピックについてどれだけ知識や情報を持っているのか。かなりよく知っている相手に対して概要レベルの話をしたのでは飽きられてしまいますし、門外漢に専門的な話をしたのでは理解してもらえないでしょう。相手を知ることによって話し方(デリバリー)も使いわけます。聴衆の立場に立って、どんな情報を相手は求めているだろうか、どんな話を聞きたがっているのか、フォーマルな話し方の方がよいのか、カジュアルな雰囲気を作った方がよいのか。相手を知ることによって効果的なデリバリーにすることができます。

3. 念入りな準備。
いくらプレゼンのベテランでも、発表メモすら作らずに、ぶっつけ本番アドリブで全てやろうというのはリスクが大きすぎます。特にプレゼンに慣れていない人は、読み原稿を準備するのがよいと思います。けれども読み原稿を作ったからと言って安心していはけません。読み原稿作成は準備の第一歩に過ぎないからです。

読み原稿は何度も推敲して完成度を高めておくことが必要です。論旨の展開、スライドの枚数、発表の持ち時間などを考慮します。英語で発表する場合には、発音しにくい単語が無いかどうか、口語文で耳から入ってくる情報として無理がないか(特に音の同じ漢字の熟語に注意)などにも注意します。

読み原稿ができたら、今度はそれを何十回も読む練習をして、リハーサルします。決して暗記することが目的ではありません。暗記ではなく、自分の発表内容を自分自身で十分に咀嚼することが肝心です。たとえ英語で発表しなければならない場合でも、内容が自分のものになていれば「自分のことば」として発表することができるはずです。

よく、スライドを作成し、読み原稿を用意した時点で、準備が終わったと勘違いする人がいます。準備は何回リハーサルしたのかにかかってくるのです。10回や20回読み練習をしただけでは不十分ですよ。

4.想定問答集
質疑応答があるかも知れない場合、予期しない質問に対してその場で回答を考えるのは容易ではありません。これが英語で質疑応答に対応しなければならない場合はなおさらです。On the flyで、その場で英作文しながら自分の言いたいことが言えるようになるのはかなりの上級者です。

そんな時のために、想定問答集を作っておきましょう。こういう質問が出たらこう答えようというアンチョコを作っておけばよいのです。想定していた質問にぴったり当てはまらない質問が出た場合でも、「当たらずとも遠からず」の回答として対処することができます。しどろもどろの英語にならない英語で何か言うよりはよほど効果的です。

もしまったく予期も準備もしていなかった質問が出てしまった場合の決めセリフもあります。
That is a very good question. Let's talk about it offline.
(鋭い質問ですね。後で個別に話をしましょう。)
Good questionには答えにくい質問という意味も言外に隠されています。
offlineとは、発表時間中に皆の前で=online と対を成すもので、個別に、後で等の意味を持っています。

「offlineで詰め寄られても答えられない」という心配も無用。
I am not comfortable with my English skill. Would you send me an e-mail with your question? と言って名刺交換すればよいのです。

5.人事を尽くして天命を待つ。
人によっては、大勢の前で話すことに何の抵抗も無い人も居れば、人前で話すのは苦手という人もいるでしょう。それは性格であり、素質なのでどうすることもできません。
大事なことは、全力を尽くして準備をし、開き直って本番を迎えるということではないでしょうか。

嫌々やる発表なら、要点だけを簡潔に述べて、手短にさっさと終わらせるという方法もありますが、聞きほれるようなプレゼンターには必ず、「喋りたくて、聞いてもらいたくて仕方がない。」という熱意が感じられます。この話をぜひしてあげたい、この情報をぜひ提供してあげたい、という姿勢だと、自然に皆の耳に届くように声も大きくなりますし、自分の話に興味をもってくれているかな、自分の話を楽しんでくれているかなとアイ・コンタクトも取れるのです。

ジョークの一つも言って笑いを取ろうなんてことを考える必要はまったくありません。プレゼンターの情熱だけで、オーディエンスは時には頷き、時には苦笑し、リアクションをちゃんと返してくれるのです。


翌日のプレゼンをあがらずに成功させる秘訣なんてあるわけがありません。
それに、念入りに準備して臨むのがオーディエンスに対する礼儀というものではないでしょうか。けれども準備さえしておけば、誰でもプレゼンは上手にできるものなのです。それは日本語でも英語でも同じです。
英語のプレゼンには、「英語の読み原稿を作成する」という手間が一つ余計にあるだけです。

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