国際人をめざす
ここ数年大学や企業で、人材育成プログラムの一環として英語研修を担当させて頂いております。
セミナーではなく、敢えてワークショップと呼ぶのは、この研修が参加型であるからです。
英語スキルなんて、いくら講義を聞いたからといって、ハウツー本を読んだからと言って、習得できるものではないのです。
本人が、「あっ!? そうか!」と閃くことが肝心で、英語を習うのではなく、英語の勉強の仕方を自分で見つける機会を提供するのが、我がワークショップなのです。
日本語が不得手な人は英語が上達しません。逆に日本語に関心がある人は、英語もできるようになります。でもこの話は別の機会に回します。
私は、第1回目のワークショップの冒頭に必ず、「国際人とは?」という質問を受講者に投げかけます。大抵の人が、異なる文化を受け入れること、外国人とコミュニケーションできること、と回答します。
「何を外国人とコミュニケーションするの?」「それは歌舞伎とか日本の伝統的な文化とか、、、。」
国際人を、「外国から来た観光客に日本を案内できる人」と勘違いしていませんか?
文化交流を観光案内と取り違えていませんか?
最近の日本人は、「他人の意見を拝聴し、それをそのまま受け入れる」人が大多数を占めているような気がしてなりません。考える力が衰えていると教育の場でも問題にされていますが、思考、解析、判断は練習を繰り返すことによって身に付く技能です。正解のみを丸暗記するような試験勉強、自分なりの考えを述べれば言い訳するなと押さえつける親や上司、多数派の意見のみが正しいとされる世論、、、。 こんな環境で育った日本人は、誰かに教えてもらった正解を覚えようとするばかりです。けれども、大人の社会に絶対的な「正解」があるはずもなく。十人十色の考えがあるのみです。何が「正解」かではなく、何を「最善の解」とするかの判断なのです。
私のワークショップでは、各人に考えさせます。自分の意見を述べてもらいます。間違っているかもという心配は無用。どんな「正解」にも必ず、長所と短所、メリットとデメリット、効果とリスクがあることを理解してもらいます。いろいろな意見を聞いて、どの解を選ぶか、判断できればよいのです。
私のワークショップは、英語の勉強を通して、国際人としての日本人を育成することに主眼があります。