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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

ホテルオークラ東京 本館の美しき空間の名残りを惜しむ

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いつも無くなってからその存在の大きさに気づく。東京はその繰り返し。美しい姿は、もはや記憶の中にしか存在しない。

今回は、無くなる前から気づいている。後悔すると分かっている。でも止められない。

せめて、記憶に焼き付けよう、あの美しい和の空間に自分をもう一度置きに行こう。日本の美意識の結晶、せっかくだから着物を着て出かけてきた。

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以前は、勤め先が近くレストランを利用したり、会社のイベントもよくここで開いた。ロビーに入った瞬間、心が落ち着く。このホテルは、建物や内装・空間が素晴らしいだけではない、ホテルのスタッフも、皆超一流だ。世界に誇れると思う。外資系の新しいホテルがたくさんできている。どれも新しくて綺麗だけど、際立った個性はないように感じる。

流れた時間が作り出した空間。二度と取り戻せないものが、もうすぐこの地球から消え失せるのか。

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古墳時代の宝飾玉・切子玉形をモチーフにした照明。オークラ・ランターンと呼ばれ、このロビーのシンボルだ。市松模様の絨毯には、テーブルと椅子が梅の花形に開く。

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そこかしこに和の文様が溢れている。でも、それが空間に溶け込んでそれぞれは主張せず、不思議な調和を生み出している。

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ロビーの設計は、数々の名建築を残している谷口吉郎。

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名残を惜しんで本館の部屋に宿泊。ベッドの上には、鶴と亀の折り紙。ここにも和のおもてなし。

今年8月末の閉館まで、あと何回この空間につつまれることができるだろう?

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