オルタナティブ・ブログ > 塞翁が厩火事 >

ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

信者でもない日本人がどうして教会で結婚式をあげるの?

»

IMG_3353.jpg先日、青山を散歩していたところ、いきなり目の前に立派な教会が現れました。まるでヨーロッパの街角に迷い込んでしまったような錯覚を覚え、facebookに写真を投稿したところ、知人よりこの本を紹介してもらいました。

「結婚式教会」の誕生 「結婚式教会」の誕生
五十嵐 太郎

春秋社 2007-08
売り上げランキング : 300492

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これまで、友人・知人の結婚披露宴に呼ばれ、「良かったらお式の方も参列ください」と、言われるがままに参加して一緒に賛美歌を歌ったりしていました。たまに式が神前だと、逆に珍しいと思ってしまうほど、何の違和感もなく教会での結婚式に参列していました。

この本を読み、なんとも当たり前のことに気がつきました。日本には、結婚式のためだけの教会がある、ということです。それも、キリスト教徒のためではなく、キリスト教徒じゃない人が結婚式をあげるための教会。この本が引用している調査によると、日本の人口におけるキリスト教徒の割合は、1%なのに、結婚式をあげる人の7割弱が教会で行っているとのこと。こんな不思議な現象を、何の疑念もなく受け入れていた自分にちょっとびっくりしたので、どんだけ世の中の中に何かに刷り込みをされているんだろうと思いました。この現象、真のキリスト教徒の方からみたら、どう映っているんでしょう?

この本では、そうした日本人の不思議な宗教観が取り上げられ、また日本の多々ある信者のいない、結婚式のための教会建築について論じられています。さらに驚いたことに、この本によると、結婚式教会やホテル付帯施設のチャペルに出てくる牧師さんの9割は、本物ではないとのこと。まあ、そもそも結婚式をあげる方もキリスト教徒ではないのだから、本当は驚くところじゃないのかもしれません。

おそらくこうした施設で挙式する人が求めているのは、非日常がもたらす華麗に演出された眩い体験なんでしょうけど、では何故キリスト教の教会なのでしょう? 映画やドラマ、雑誌の特集などの影響なんですかね。この本によると、「1972年に西郷輝彦と辺見マリが軽井沢の教会で式を挙げたのが、教会の結婚式を増加させたきっかけになったと言われている。」とのことで、やはり芸能人の影響力ってすごいですねえ。

結婚式教会の建築様式についても論じられていて、こちら(日本人と結婚式教会 | 五十嵐太郎)で一部読むことができます。

Comment(0)