21世紀の内田百閒は空飛ぶサンタクロース 『パラダイス山元の飛行機の乗り方』
アテンション・プリーズ。この本は、電車の車内で読んではいけません。顔がニヤニヤしてしまい、また可笑しくて思わず吹き出してしまう場合も多々ありますので、周りの乗客が気味悪りがります。
では、どこで読むべきでしょう? 皆が同じ方向を向いて座っている飛行機の機内が最適ですね。にやけた顔を正面から見られなくてすみます。ただ、キャビン・アテンダントと向かい合う席もありますので、ご注意ください。
いやあ、もうこの本お薦めです。面白くて一気に読んでしまいました。久しぶりに心地良い風が体を駆け抜けていった爽快感です。高校生の頃、内田百閒の『阿呆列車』の摩訶不思議な世界に囚われの身になった僕は、今度は、公認サンタクロースの楽園<パラダイス>に居残り佐平次です。
書名に「・・・の乗り方」とあるように、この本はハウツー本でもあります。旅先に目的の無い様々な飛行機の乗り方と必要なスキルとナレッジを与えてくれます。特に東京から名古屋へ向かうためのお薦めルートの数々は、季節感あり、南国の空気でリフレッシュありと素敵です。もちろん、飛行機の本なので新幹線は出てきませんよ。「成田=>名古屋」は、すぐに思いつきますね。実際に僕の友人の噺家もよく利用しています。この本でのお薦めは、「羽田=>那覇=>名古屋」、南国で脳を活性化。また、「羽田=>香港=>名古屋」は、夜行便でゆっくり体を休めて早朝すっきり名古屋です。ここまでは、僕も思いつくのですが、さすがパラダイス山元さん、「羽田=>フランクフルト=>名古屋」をやってのけます。それもビジネス・クラス。プライバシーが保たれたスタッガードのフルフラット・シートでゆっくり休み、到着後ラウンジでシャワーを浴びてリフレッシュ。心も体も奇麗に、これで商談もばっちりですね。
搭乗(登場)人物も豪華です。小山薫堂、松任谷正隆からクマもんまで、最近話題になったあのエアラインの裏話も。
楽しいだけじゃない、驚愕のエピソードも満載。恐怖の体験も、ごめんなさい、笑ってしまいました。飛行機ファンのみならず、愛すべきサンタクロースの面白ストーリーに抱腹絶倒。ぜひぜひ、ご一読ください。
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個人的には、表紙を開けてすぐに飛び出すHDRアートモードの写真ににんまり。
そして、まさか、加藤隼戦闘隊まで出て来るとは。僕の年代では知るはずもないこの映画の挿入歌、歌えます。だって藤田進のファンだったの。
パラダイス山元さんとは、ANAの整備工場見学会と会員制高級餃子レストランでお会いしたことがあるのですが、今度はぜひ偶然に飛行機内でお会いしたいです。それを次の目標にまた飛行機に乗ります。あくまで偶然にですよ。