IBMのジャムの歴史、そして今夜また新たに・・・
ジャムと言ってもパンに塗るジャムではありません。IBMは、世界中の社員がオンラインで討議するプログラムをJamと呼んでいます。これまで大小さまざまなJamが開催されてきました。いくつかご紹介しましょう。
最初に行われたJamは、2003年の「Values Jam」です。世界中から22,000人の社員が参加し101万ページビューがありました。実は、1990年の初頭にIBMが経営の危機に陥り、IBMはその時初めて社外からCEO(ガースナー)を迎えました。ご存知のようにPCをはじめハードウェア事業の売却などを進め、当時40万人いた社員が半分になりました。しかし、今またIBMの社員は40万人を越えています。これは、コンサルティング会社や多数のソフトウェア会社を買収したからで、最初からIBMの社員と買収や合併で後からIBMになった社員との人数が拮抗する状態にありました。これまでの社風や理念を押し付けられるのではなく、新たに全社員で討議して社是を作ろうと始まったのが「Values Jam」です。全社員参加できる環境のもとまずは3日間、オンラインで集中討議を行いました。形態は、いわゆるネットの掲示板のようなものです。集まった多くの意見から10の意見に絞り、半年後に行われた第2フェーズで投票が行われました。
その結果、出来上がったのがIBMの全社員の社是「IBMers Value」です。
企業理念:IBMers Value―IBM社員が共有する3つの価値観
お客様の成功に全力を尽くす
私たち、そして世界に価値あるイノベーション
あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任
こちらは、各国のIBMホームページに掲載されています。
翌年開催された「World Jam」では、IBMers Valueを実現するための施策を討議しました。参加者は、57,000人で240万ページビューがありました。約33,000のコメントが投稿され、営業を後方支援する専門部隊の設置など、ここから出たアイデアが具体化されました。
2006年に開催された「Innovation Jam」では、お客様や社員の家族からも参加があり150,000人でIBMの今後の投資先を決めました。ここから出た10のアイデアに2年間で1億ドルを投資するプレス発表を行いました。(発表は、Second Lifeに構築した巨大な紫禁城で行いました。)
2008年に行われた「Innovation Jam 2008」では、「未来企業のあるべき姿」に特化した議論が実施され、ここで培われた知見が現在の「Smarter Planet」へ続いています。
その後は、事業部主催のJamもいくつか開催されました。
そして、今夜。
久しぶりに全IBM社員が参加して行うJam「Client Experience Jam」が四日間に渡って開催されます。世界中の社員がお客様にお届けした成功体験を共有し、今後さらなる価値をお客様にお届けできるよう全員でオンライン討議を行います。
こちらの結果は、近日発表させていただきます。ぜひ、ご期待ください。