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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

過疎を有効活用、逆転の発想が実を結ぶ四国

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2月11日の日経MJに載っていましたが、徳島県の過疎の町・神山町に現在ITベンチャー企業の進出が相次いでいるそうです。静かな環境で仕事ができる、徳島県が敷いた光ファイバー網(地上波デジタル放送の視聴難対策のため)で首都圏よりも快適なネットワーク環境が整備されていると人気だとのこと。自然に恵まれた静かで落ち着いた環境での仕事は、新たなアイデアの創造にも大変効果があるらしく、人口が減っても活力を維持する創造的過疎に挑んでいるNPO法人もあるそうです。

昨年、日本IBMが支援している地域有識者会議の1つ「四国フォーラム」で座長を務められた香川大学の学長の長尾省吾学 様にお話をお聞きする機会がありました。「四国フォーラム」開催のテーマは、「四国のデメリットをメリットに変える~“逆転の発想”による地域づくり~」というものでした。当初、四国各県から集まった有識者の皆さんは、過疎や高齢化などのデメリットをどう克服していくかを議論するはずでした。しかし、いざ議論が始まると、これまでデメリットと思っていたことは、実はメリットでもあるのではということに皆が気づき始めたということです。
例えば、過疎のおかげで開発が進まず美しい自然が残っている、その美しい自然を求めて、今海外からの観光客が増えているそうです。高齢化も様々な経験の知見が蓄積されているということであり、デメリットでないのではという意見が多数出たそうです。

豊かさとは、金銭や便利さではなく、美しい自然に恵まれた環境がもたらす恩恵にこそあるのでは?日本人が昔から営んできた豊かな生活がそこにあり、また幸福とは物資的な豊かさでだけでは計れない指標もあるとの想いが一致したそうです。デメリットとも視点を変えるとメリットになる、この四国の逆転の発想は、私たちの日々のビジネスにも役立つことがありそうです。

地域有識者会議「四国フォーラム」 座長 長尾様のインタビューは、こちらをご覧ください。
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地域有識者会議「四国フォーラム」メンバー・インタビュー
「四国のデメリットをメリットに変える~“逆転の発想”による地域づくり~」
国立大学法人 香川大学 学長 長尾省吾 氏

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