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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

思い込んだら気楽な道を、になっていませんか?

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人間とは思い込んだら、その考えをなかなか変えられない生き物だそうです。いえ、よく分かっています。一度こうと決めると、その考えを正当化するのに都合のよい事例ばかり集めて論理武装を図ります。その考えに疑問を呈する意見や事象は見えなくなるか無視するようになります。映画などでも、容疑者が、都合のいい状況証拠だけ集められ、それ以外の観点は無視されて犯人にされてしまうなんてのがありますが、同じようなことがビジネスの現場でも起きていますね。

逆に、自分の思い込みや既存の考えを違った角度から見てみれば、新しいアイデアが生まれます。

皆さんの部署や部門でも新規事業立ち上げのためのブレインストーミングを行うことがあると思います。うちもそうですが、なるべくいろんなアイデアが出るよう、他部門の全く違う職種の人に参加してもらったりしますが、嵐が吹くだけで何も出てこなかったなんてこともあります。(笑)

やはり、何かしらの手法は必要ですね。うちの広報部門でも年初に今年のコミュニケーション・プランを策定するときにブレインストーミングをすることがありますが、これが広報部長が変わるとそのやり方や手法も変わります。外部から来た人だと全く違ったアプローチを持っている人もいて、なるほどと勉強になることがあります。

それでも思い込んで絶対に自分の考えを曲げない人がいますが、それはその方が楽だし、そのための事例集めなら簡単です。

思い込みを捨てて新しいアイデアやアプローチを生み出すために、思考力を鍛える手法を紹介した本がありました。「思考力を鍛える30の習慣」です。作者のポール・スローンは、元英国IBMの営業マンだったそうです。

自戒の念もこめまして、いくつか紹介してみましょう。

「蓮の花」
大きな1枚の紙の中央に円を描き、その中に問題を書きます。その問題の主要な原因を8つ選び中心円の周りに描きます。その8つが解決すべきテーマになります。その8つについても同様のことを行い、さらにサブテーマが生まれ、それぞれの関連性を見出し分析します。問題の根幹がどこで、どこから着手すべきかが見えてきます。

「6つの帽子」
平行思考を強いることで対立的な思考の弊害を取り除く手法です。
会議の参加者は全員同じ帽子をかぶります。
まずは、白の帽子。これをかぶっている時は、事実確認や情報・データの収集に徹します。
それから赤の帽子。これをかぶっている間は、提案に対して感情的にどう印象を持ったかを述べます。
黄色の帽子。これをかぶっている間は、提案に対する長所を述べます。否定してはいけません。
黒の帽子。逆にこちらをかぶっている間は、提案に対する欠点を指摘し続けます。あらゆる失敗のシナリオを描きだします。
緑の帽子。発展と創造のフェーズになり、提案をどのように実行、修正すればより良い結果になるかを考えます。
青の帽子。会議のプロセスがうまく行っているかを確かめます。
いつでも帽子の色は変えても構いませんが、全員が常に同じ帽子をかぶることが条件です。モデレーターは必要そうですね。あと、6色の帽子を人数分そろえるのも大変そう。(笑)

他にも頭の体操のような課題も多く紹介されており、いかに自分の頭が固いかが知らされました。数学的な思考、図や統計を利用した手法、そして新しいアイデアには新しい刺激が必要ということで、映画を観ることや美術館に行くことも奨励されてました。それなら私、常に実行しています。

30の手法を全て見につける必要はないと思います。でもいろんな引き出しがあって、様々な手法やアプローチを持って新しいアイデアを仕事でも出していきたいと感じました。言われてみると当たり前のことですが、結構ハッとさせられることが多かったです。

いくつか実践してみようと思いました。

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