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ボストンに行っても観られないボストン美術館展で日本美術の至宝に触れる

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今回の展示とほぼ同じ内容の展覧会が30年ほど前にありました。東京国立博物館の本館での開催で、当時も「日本の至宝」が帰って来たとものすごく話題になっていたのを覚えています。中学生だった僕、それまで美術展の絵画というと印象派やルネサンスなど西洋のものばかり観ていましたが、この展覧会は、日本美術の素晴らしさを気付かさせてくれました。特に「平治物語絵巻」の荒れ狂う炎の描写には、ものすごく感銘を受けて、大人になったらボストン美術館へ行こうと思ったほどです。

そして、大人になってからボストンへ行き、真っ先にボストン美術館へ行ったのですが、日本美術の展示コーナーはとても狭く、そして江戸時代の看板の展示とかそんなものがやっていました。所蔵していると展示しているとは別問題なのです。まあ、別の機会の時に観たボストン美術館の浮世絵展の色鮮やかさに驚きましたが、本当に保存状態良く保管してくれている美術館なのですね。

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(大人になってから出かけたボストン美術館)

という訳で、ボストンに行けばいつでも日本美術の至宝が観られるというのではないので、こうした展覧会は本当に貴重です。

当然、展覧会は大混雑。平日でも入場規制がかかるほど。全部をゆっくりなどはとても無理。ということで、30年前に観た絵巻との再会に注力し、ガラスにへばりつきながら鑑賞しました。やはり、展示されていた2巻の絵巻は、圧巻でした。
「吉備大臣入唐絵巻」は、全巻展示。普通、絵巻ものの展示は一部分だけが鑑賞できることが多いのですが、今回は全部観られました。これは、まさにSFアドベンチャー。超能力を持った吉備大臣は、空を飛び、厳重な警備の王宮に忍び込み、スパイ活動などして、唐の皇帝が出す難題をクリアしていきます。阿倍仲麻呂の幽霊が出て来たりと当時から想像力溢れるストーリー展開がされていました。
続く「平治物語絵巻」は、「吉備大臣・・・」と比べると絵画の技術力と表現力が飛躍的に向上していているのがよく分かります。30年前に驚愕した炎は、当時の感動のまま、そして登場人物の細かい動き、表情は、時に迫力があり、時に切なくそして残酷で、戦に翻弄される人間の運命が凄まじく描かれていました。

他にもすごい作品がたくさんありましたが、個人的にはこの2巻の絵巻との再会に尽きましたね。

東京での展覧会は、終わってしまいましたが、6月23日から名古屋のその名も名古屋ボストン美術館での展覧会が始まります。続いて、来年福岡、大阪と巡回です。お近くの方は、ぜひ。

ボストン美術館展ホームページ

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