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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

美術展をSMARTにしたい

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この3連休に、六本木の新国立美術館で開催されている「オルセー美術館展」に行ってきました。夕方だったので入場規制は無かったものの、館内は、人、人、人で大混雑です。滞在時間10分ほどで出てきてしまいました。美術の特別展、毎度混雑するのは分かっているのですが、どうしてなんでしょう?なんとか、ゆったり絵を鑑賞することはできないものでしょうか?

そもそも本当に美術ファン?
普段の美術館、博物館の常設展示の空き具合を考えると、日本にこんなに美術ファンがいるとは到底思えません。まあ、印象派の絵画は、特に日本人に人気があるとは思うのですが、阿修羅展や長谷川等伯展の大混雑は、仏像や日本画ファンの域を超えていたと思います。
いいんです、普段見てなくても特別展になると見たくなる心理、分かります。それはそれでいいんです、美術館の方だって商売ですからね。
ただ、本当に好きな人がゆっくり鑑賞できる工夫が欲しいですねえ。

そこでいくつか提案なのですが、こんなのどうでしょう?

入場料1万円、時間指定でゆっくり鑑賞

以前、アメリカン・エキスプレスの会員特典で美術館閉館後、30名ほどで貸しきってゆっくり鑑賞できるという企画に参加しました。「クリーブランド美術館展」でしたが、学芸員の方の説明も聴け、ゆっくりゆったりそれはもう贅沢な空間と時間を持つことできました。
本当に絵を鑑賞したい人向けに時間を決めて、多少入館料は高くてもいいので、ゆったり鑑賞できる特別時間帯というのを設けるのはどうでしょう?

音声ガイドは禁止
混んだ美術展の混雑をさらに助長するのが音声ガイドのサービスです。音声ガイドを聴いている間、その人は絵の前からどかないのでますます混雑していきます。これも気持ち分かりますよ。本物の絵を観ながら、解説が聴けるのはとても理解が深まります。でも、混んでいる館内をより混雑させるサービスとはどうなんでしょう?
これを例えば、目録を買った人がその絵にiPhoneなどをかざすと音声で解説してくれるサービスに切り替えたら・・・。事前に知っていれば、本物の絵を観た時に見方が変わったのにという方には、ホームページで同じ音声ガイドを聴けるようにしたらどうでしょう?予習をして臨むのです。
音声ガイドは、空いている常設展示では、とっても良いサービスだと思うのですよ。でも、混んでいる特別展は勘弁していただきたいです。

展示方法の工夫
誰もが見たがる有名な絵の前では、最前列は、ベルトコンベアにしてしまいどんどん人をさばく。二列目三列目には段差を付け、後方から前の人の頭が邪魔にならないよう観ることができる。
そもそも展示する場所を高くして、見上げるようにしたらどうでしょう?首が疲れるかもしれませんが、人の頭越しに観るよりいいと思うのですが。

最大のソリューションは・・・
それでもやっぱり最大のソリューションは、その絵がある場所にこちらから出かけるですね。有名な絵は、高額な保険をかけて運んでくるので、主催者側も入館料、音声ガイド、目録、お土産などあらゆる方法で儲けないと大変なんでしょうね。
美術品を海外に運ぶリスクやコストを考えると、やっぱり人間が移動するのが一番なんでしょうね。という訳で、電車や飛行機、船に乗ってあちこち出かけようではないですか。移動すれば、経済も活性化しますしね。

冗談は、さておき、ゆっくり鑑賞できる美術の特別展、スマートな美術館の良いアイデアありませんか?

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