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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

手拭いと扇子の宇宙

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落語が好きだとプロフィールに書きました。座布団の上に噺家が座って、仕草もありますが話芸で笑わせ、時に泣かせてくれます。小道具は、手拭いと扇子だけ。これがさまざまな用途に使われます。たった一人の人間が幾人もの登場人物を演じわけ、江戸時代の長屋へと誘います。手拭いと扇子だけで、そこに無限の宇宙空間が広がります。そこが落語の魅力ですね。

古典芸能の代表みたいな落語ですが、最近は、意外に電脳噺家も多いです。ブログを持っている噺家は、もはや珍しくないですし、協会のホームページを運営したり、インターネット落語会を配信するなど、随分デジタル化されています。

数年前、私がパソコンのプレス広報を担当していた頃、何気なくネットを徘徊していたら、落語協会の噺家さんにThinkPadを使っている人が多いのに気づきました。おやっ、と思ってさらに検索してみると、柳家三之助という噺家がどうも落語界一パソコンに詳しいらしく、多くの噺家が彼にパソコン購入時の相談をしていました。三之助さんは、相談を受けると「一番いいノート・パソコンは、ThinkPad」と頼んでもいないのにたくさん営業活動をされていました。一時期、落語協会でのThinkPadのシェアは、相当なものだったと思います。(笑)

調べてみるとなんと敬愛する柳家小三治師匠のお弟子さんということが分かり、では一度高座を観に行ってみようと出かけてみました。そしたら何とも魅力的な高座で、一発でファンになりました。それからメキメキと力を付け、今や私は三之助さんの追っかけです。私、高校生の頃からもう20年以上落語を聴いていますが、柳家三之助は、自信を持ってお薦めできる若手噺家ですね。

そんな三之助さんですが、もともとはマック・ユーザーでして(彼は、Webやチラシのデザインも得意です)、今はマックに戻ってしまいました。それでも、古典芸能の噺家を知るきっかけがThinkPadだったというのは、今では、ちょっと素敵な思い出です。

柳家三之助のブログ
http://www.sannosuke.jp/

mixi:柳家三之助コミュニティ

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