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技術で勝って、商売で負けていませんか?

アップルとSAPが提携する目的

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ipad_pro.jpg米アップルの長年の課題は法人顧客の開拓の遅れでした。実際に同社が強みを持つのは、スマホでありタブレットであり、音楽サービスであり、いずれも個人向けが中心だということがわかります。

ところが、頼みのスマホの売れ行きに陰りが生じてきている中で、期待のウエアラブル端末も期待どおりには売れず、タブレットであるiPadだけが唯一直近の販売数値が良かったという状況に置かれているのです。

そこで必要に迫られて、法人向け市場に力を入れていく訳ですが、どうしても単独ではうまくいかないのが個人向け市場とは違うところです。

必然的に他社との提携を模索するに至るのですが、アップルが提携先とするのは独SAPでした。
AI(人工知能)を使った法人向けサービスを始めるのですが、SAPと自動応答する対話アプリを開発したのです。

当該アプリはSAPのシステムと連動して、法人の業務を支援するという仕組みです。
アップルが苦手としてきた法人顧客の開拓をSAPと進めることによって、最終的にはiPad Proの販売につなげていきたいのです。

iPad Proは単価が高いだけではなく、法人需要に耐えうるだけの高機能がウリなので、十分に期待に応えることができると踏んでいます。

いずれにしても、現代のアップルは昔では考えられないくらい、他社との業務提携に積極的なイメージを持たしてくれます。
それくらい、競争が激しくなってきたのと、世界をアッと驚かせることのできる画期的な製品の開発から遠ざかっていると言わざるを得ません。

アップルにはもう少し、日本の企業とも新規事業で提携して欲しいと思うのですが、実現の可能性はいかがでしょうか?





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