お客さまに対して"指導する"と言う事 NO.2
以前も筆者の拙ブログでも書きましたが、お客さまに対して"指導する"という言葉を使うことは、基本的にはNGだと考えています。
そこで今回は、舞台は違いますがスポーツの世界で実績を残している注目のリーダーが語った極意をご紹介したいと思います。(2016.2.21日経新聞より)
湘南ベルマーレ監督 曺貴裁 (チョウ キジェ)氏の言葉
ー指導者にとって大切なことは何だと考えますか?という問いに対して
「僕はそもそも自分が指導者だと思わないようにしている。指導者は自分が指導者だと思ったとたんにダメになっていくんじゃないかと恐れている。その人に地位や権威が備わっているからではなく、パーソナリティーが素晴らしく、リーダーにふさわしいから周りがついていくものだろう」
「自分は指導する側、選手は指導される側と考えてしまうと、地位や権威を意識し、選手を下に見たり、自分を大きく見せたりする。それでは選手とフラットな関係が保てない。僕が『何だ、そのプレーは』と言うのは1人の人間として言っている」
「選手を叱ることはあるけれど怒ったことはない。選手を嫌いになったこともない。指導者は絶対に嫌いになってはいけない。どんなに裏切られても、好きになるように努力しなければいけない。相手を知り、許す努力をする。監督に嫌われているとなったら、選手はどうすることもできず、チームから出ていくしかなくなってしまう」
私はこの一説を読んで、チョウ氏は自分の考え方に近いリーダー論を持った人物だと思いました。だからこそ、チームを強くする、高成績を上げるという実績も着々と積み上げてきたのだと感心しました。
もちろん、いろんなリーダー論があってもいいと思います。例えば丁稚奉公が必要な料理人や、または売れっ子漫画家の元で修行をするタマゴの人たちに対しては、もっと違ったリーダーの姿で接している人たちも多くいるのだと思っています。
それはそれで1つの世界を形作っているからです。
ただし理想論を言えば、今回書いたような考え方に収束されてきたのです。