創造力より想像力を鍛えよう、あるいは○○力を鍛える方法
創造性あふれるビジネスマンになれ、とかって4/1の入社式にどっかの社長さんが言いそうですよね。でも僕は新卒で入った会社の社長さんに「創造力より想像力を鍛えろ」と言われた。その後何年も仕事をしてきて、その通りだと思う。
・相手が理解していないことを察し、補填しながら話す
・ルールを変えたら、どういう業務プロセスが最適なのか考える
・このままのペースで仕事したら、明日までに終わるのか見積もる
こういう、仕事で有用な能力って、みな想像力がベースになっている。
画期的な大発明には繋がりそうにないので地味なのだが、仕事を上手くすすめるためには必要なのが想像力だ。
そりゃ、創造力バリバリで何でも新しいものを作り出せたら、いいと思う。でも、創造力ってどうやったら鍛えられるのか分からないんだよね。
シュンペーターが言うように、イノベーションはこれまで無関係だと思われていた2つの事を結びつけることで生まれる。だから色々なことを知っていた方がいい。体験していた方がいい。スティーブ・ジョブズで有名な「点をつなぐ」という考え方だ。
でもこれは、創造の必要条件であって、十分条件ではない。
スティーブ・ジョブズの様にコンピュータ工学とカリグラフィーを学んだからといって、マッキントッシュが作れるとは限らない(というか普通はなにも生み出せない)。
それに比べて、想像力は鍛えられる。
僕は「○○力を鍛えるには○○すれば良い」という仮説を提唱している。
走力を鍛えるには走ればいい。
会話力を鍛えるには話せばいい。
プレゼン力を鍛えるにはプレゼンテーションすればいい。
(ちなみに、人間力とかメヂカラなんかはこれに当てはまらない。つまり、人間力やメヂカラって実体がないんでは?と思っている。創造力も実はそっち系の、実体がない力のような気がする)
想像力を鍛えるには想像すればいい。
小さいころ、童話を読みましたよね。これは単に楽しいから読むのだが、もちろん想像力を鍛える訓練になっていたはずだ。
大人になって名経営者の自叙伝を読むのであれば、難局に向き合った時の経営者の葛藤や解決策を想像することを通じ、ビジネスの現場での想像力を鍛えることになる。
プログラマーになった時の研修では、「人がエレベータの上下ボタンを押してから何が起こるか」をなるべく細かく想像し、書き出す演習があった。今思えば、あの訓練は業務改革をやる上でのベースとなっている。
今日では、僕はファシリテーターとして「明日の会議、この資料を使えばどういう風に議論が展開するだろうか?」を日常的に想像する。会議が始まれば、「今の発言、この人にどう受け取られただろうか?」を想像する。
まじめに仕事をしていれば、ひっきりなしに想像をする。それを真剣にやればやるほど、きっと想像力は鍛えられる。
そうすると、昨日よりもきっとうまく想像できるようになる。
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セミナー情報
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「プロジェクト・プランニング ~まずは業務改革の視点を持て~」という2回シリーズのセミナーをやります。
一応出版記念ということで、
第1回理論編:「業務改革の教科書」ベースの講演
第2回事例編:「反常識の業務改革ドキュメント」ベースの事例講演
です。
http://www.ctp.co.jp/events/index.html
というか、第1回は1/22に既にやり、第2回も多分満員御礼だと思います・・。告知が遅くてすみません。
業務改革やプロジェクトの立ち上げに興味のある方は、そのうちまたやると思いますので、その時にどうぞ(その時にタイムリーに告知できる自信がないですが)。