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百度と谷歌 - Google中国問題に関するインサイト

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1月半ばにGoogleが組織的アタックや検閲を理由に中国かの撤退を検討していると言う発表があり、


オルタナのブロガーの皆さんもたくさん記事を書かれていました。

中国という国は興味深いというか不思議というか、時に理解不能です。もっと彼の国のことを知りたいなと思うわけですが、村上龍メールマガジンを購読していると、2週間に一度ふるまいよしこさんという、北京や香港に住んでいるライターの方が、中国人の息づかいが分かるレポートを書いていまして、情報源として欠かせません。

こちらの、1月28日の配信では、まさにこのGoogle中国問題に関する力作でした。


これをメールで読んだとき、すぐさま僕のページでも紹介したいと思ったのですが、メルマガの配信とWebへの収録に少し時差があって、思いとどまっている内に2週間も。。。。orz

 もちろん、中国のネットアクセスブロックという面からも非常に興味深い事件だと思うのだが、繰り返し記事を読んでいるうちにどれもこれもあまりにもきれいに論点が凝縮されてしまっている様子に「なんだか、腑に落ちないなぁ…」と感じるようになったのだ。論点がいつも中国問題を語るときのように、「外交」だとか「検閲」だとか「自由」だとかのキーワードに収まってしまって空中回転していて、そこにはその撤退が世界を揺り動かすほど注目されている「Google」という革新的な会社の存在が、中国に、特に中国市場の中の人たちにいったい何をもたらしたのかという、地に足がついた視点が抜け落ちている。Googleの中国でのシェアやライバル企業の「百度」の存在が語られるが、それらが実際の現場でどんな意味を持つのかが国際ニュースの世界では語られていないではないか。
  この部分、このテキストこのままで共感しました。僕たちは中国の外にいるので、何があっても他人事になってしまい、キーワードや対立構造そのものだけで議論してしまいがちですが、中国の市民にとってどうなのか、という話はなかなかでてこないですよね。

内容は、上の引用のような導入に続いて霍炬というITコラムニストのブログの和訳になっていて、こちらで、谷歌(Google中国)の問題を、百度(中国Web検索最大手)との比較でとても克明に記述されています。谷歌が、アカウントによるサービスを一切やっていなかったり、MP3検索に力を入れていたりと、本国からは大きく異なる方針で事業が進められていることや、百度のランキングが有償ランキングであること、、などなど。

霍炬さんの本家のブログのほうは、公開された1/14以来膨大な数のコメントが寄せられていて、こちらを読むとまた面白いんでしょうが、何せ中国語でして、ちょっと難しいですね。

Google中国の問題、最近アタックに関してNSAと協力体制を敷くなんて報道がありましたが、どうなって行くんでしょうね。


百度は日本にも進出してきています。ちょっと見てみると、画面は相当Googleに似ている感じ。検索結果はちょっと新鮮な感じ。それより驚いたのは、Google日本語入力に対抗する、Baidu Typeなるものが存在することです。それも、Google日本語入力が発表された2009年12月3日よりもわずか2週間遅れの12月16日公開です。なんか、中国人の力強さを感じてしまいますね。

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