若者は自分を脅かすライバルとして潰すか、未来を託して育てるのか
以前、ある本で読んだ話です。出版社のパーティで、著名なベテラン漫画家(今は故人)にパーティで若手の有望な漫画家(今は超有名なベテラン)が挨拶をしようとしたところ、敵意をむき出しにされたとのこと。本ではその著名な漫画家は、若手を恐れており、自分が抜かれるのではないかとライバル心を燃やしていた、と書かれていました(今、手元に本がないので、少し違っているかも知れません)
言い換えると、著名な漫画家には、その若手の才能がわかるから「追い抜かされる!」と怖くなってしまったのかもしれません。
先日、ある業界の方が、周りは同年代のベテランばかり。若手を育てないと、この業界はまずい。と、動き出したという話を聞きました。
前述の漫画業界は、出版社で若手をサポートする体制があるように思います。なんだかんだいっても、素晴らしい若手が出て来ています。
でも、そうではない業界で、先に参入していた著名な人が、自分の「場」を奪われるからと若手にそっぽを向き、足を引っ張るのは大変に危険です。その業界自体が縮小してしまう可能性さえあるからです。
どうしても人は注目されていて、自分も活躍出来そうな分野に流れる傾向があるように思うのです。例えば、今にわかに、ビッグデータがらみで統計が人気分野になっているようです。これも、急に注目される分野になったからではないでしょうか。
私たちの所属している広報やマーケティングの業界を見ていると、花形のウェブ界隈には、多くの若手のスターが登場している気がします。しかしながら伝統的な広報の分野は、それほどプレイヤーに変化はなく、若手の人たちはB2BよりB2Cの華やかな分野ばかりに目を向けているケースも多い印象です。B2Bもかなり面白いのですよね。でも育ててくれる人、教えてもらえる場面が少ない印象を受けます。(すみません、自分が知らないだけかも知れませんが)
早ければ30代後半、40代、そして遅くとも50代になったら「まだまだ未熟だから」などと言わずに、とりあえず少しだけ長くこの分野をやってきて、蓄積して来たものをシェアしようという気持ちをもつのはありなのかなと思います。業界も活性化しますし、自分も若手との交流で得る物もあります。
さて、私の場合ですが、細々とではありますが、いろいろな方のサポートをいただいて、以下を実践しています。
- 広報・マーケティングの交流会(年に1−2回レベルですが。ブログでもご案内しています)
- 不定期な勉強会(プレスリリースの書き方講座等)
- 日本広報学会の活動(勉強会等)
- 講演
- ブログ(広報に関するノウハウ)
とはいえ、日々の仕事もありますし、なかなか思うようにはできていません。
もちろん自分自身もまだ分からない事も多く、会社という枠に捉われずに、いろいろな方に教えてもらっている段階ではあります。でも、完璧になってから教えよう、伝えよう、では、いつになるか分からず。
知っている事をお伝えして世の中や業界に還元して行く活動をもう少しやりたいところです。Facebookでのシェアもいいですが、リアルなシェアも行いたい所です。