できない言い訳を考えるのではなく、できる方法を考える
なかなか仕事の例を書けないことが多いので(お客さんが関係していたりする内容が多いため)、スポーツを例にこの話題を書いてみます。
私が仲間の方々と一緒にサイクリングを楽しむようになって、既に1年以上が経ちましたが、モチベーションの1つが、白石峠のタイムです。もちろん、メタボ対策や景色、物欲など、他の背景もありますが、なんといっても白石峠の競争です。
白石峠は埼玉県秩父郡東秩父村から同県比企郡ときがわ町にかけての峠。距離6.4kmで542mUP 平均斜度8.47%と書いてありますが、6.2kmくらいだった気もします。なぜこの峠が自転車乗りに有名かといえば、実力差が精度良くわかるからです。
白石峠は6.2kmの間、平坦・下りは一切なく、常に登り勾配、さらに分岐もほぼなく、信号機もありません。平坦・下り区間がないというのは素人サイクリングにはとても重要で、無謀なカッ飛びができないというのが大事なのです。下りがあると、危険を顧みず、タイムのために暴走する人もでてくるかも知れませんが、白石峠はずっと登り。カッ飛びたくても体力がなければ飛ばせないのです。白石峠では20km/hすらほとんど出ません。
こんなランキングサイトもあります。
さて、そんな白石峠ですが、私の記録を見てみると・・・
初回は何度も途中で足をついて48分。2回目は完走しましたが、45分。3回目にライバルのTさんを無理矢理引っ張っていきましたが、Tさんもすっかりはまります。そこからTさんとの勝負が始まりました。
最初は40分を切れたらすごいね、と話していたのが、38分台まではすんなりいきました。Tさんもほぼ同じくらいの勢いでタイム更新をしていきます。小6の息子を連れて行ったこともあり、45分くらい。冬の間は凍結と寒さで走るのが困難になるので、その前に何とか37分台に。吹雪になってしまったこともありました。春になり再び登れるようになると、Tさんとのバトルも盛り上がりました。
Tさんは私より5歳(かな?)年上で、お子さんも既に大きいので、土日はどんどん峠にトレーニングに行ってました。さらに、自転車を積める車もあり、峠の近くまで車で移動して、そこから峠に入れるのです。一方私はまだ子供二人のイベントも多く、車も自転車が積めないので、どうしても峠に行く頻度で負けてしまいます。しかも、Tさんは高級フレームの自転車に買い換え、5歳私が若いとは言え、もともとスポーツマンだったTさんが本気になると、非常に手強いのです。ちょうど身長も同じくらいで、体格的なハンデもなく、それこそ自転車を交換しても乗れるくらいです。
冬の間、Tさんは自宅近くの彩湖でのトレーニングを重ねていました。私の自宅からでも彩湖はそれほど遠くないのですが、冬は風が強いので、向かい風を考えるとなかなか行く気になれません。そこで、私はランニング作戦を選択しました。
私が考える峠タイム短縮のポイントは、軽量化(主に体重)と、心肺能力強化です。体重を軽くすることはとても重要で、自転車自体は10万円高級なものを買ってもせいぜい2kgくらいしか軽くなりませんが、お腹の贅肉は10kg落とすことも可能です。さらに、峠では心拍が160を軽く超える状態で30分以上頑張らねばなりませんから、心肺能力も重要です。
軽量化と心肺能力強化といって思いつくのはランニングです。しかも、ランニングはシューズとウェアがあれば簡単にできますし、雨の後でも夜でも走れます。基本的に平日は5kmくらい、土日はサイクリングに行かなければもっと長い距離を走るようにしてきました。5kmのランニングはのんびり走れば大して疲れませんが、私は調子が悪いとき以外は、ほぼ限界のペースで走りました。峠でタイムアタックをしているのと同じくらい苦しい状態で鍛えたいと思ったからです。痩せるためだけなら有酸素運動の方が効果的だと思いますが、基本的には心拍をかなり上げるようにしてきました。
一方のTさんは、心肺能力よりインナーマッスルを鍛えるのが効果的、と考え、私との意見の対立は激しく続きました(大げさ・・・)。さらに、Tさんは綿密なペース配分を考えるタイプで、私は勢いでいくタイプ。二人の対立は歩み寄る気配すらない状態でした(?)。そんなある日、私が会社のメンバー達を峠に案内していると、Tさんが私のタイムを1分以上短縮したとの知らせが。しかも翌日にも2回連続で更新したとの知らせが・・・。
私としては、心肺能力強化で自信があったのですが、結果を出さないと意味がありません。そこで、バンコク出張前日にわざわざ休暇を取ってまでして、白石峠タイムアタックを実行し、無事に33分台をたたき出したのでした。33分台でも平均時速11km/hくらいです。。平均心拍185で33分間もがき苦しむのです!
まあ、いつもの後付け理論ですが、大事なことは、人はそれぞれ様々な事情・背景があり、ライバルと同じ準備はできないものです。そんなときに、戦いを諦めてしまうのではなく、自分の状況でどういうことならできるのかを考えることが大事だと私は思うのです。遠方までサイクリングに行けないので、自転車に乗る時間的な面では全く追いつけないので、それならいつでも手軽にできるランニングで、と考えたわけです。しかも、峠の苦しさに耐えられるように、バカみたいに結構なハイペースで飛ばす方法で。
まあ、ストイックなTさんのことなので、またすぐに抜かれる可能性も高く、ますます頑張らねばなりませんが、こういう仲間の存在はとてもありがたいことですね。
ということで、「できない言い訳を考えるのではなく、できる方法を考える」ということを、少々大げさに書いてみただけのことでした・・・。でも、仕事でも何でもこの考え方は大事だと私は思っています!