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AppleのAMD CPU採用の噂に関する考察

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Apple in advance discussions to adopt AMD chips」にあるとおりAppleがAMDのCPUを採用を検討していると噂にあがっています。果たしてこれは実現されるのでしょうか?と言う事で、AMD派の私の感想を書いています(ブログタイトルと趣味趣向は一致しているわけではありません)。

AppleがAMDのCPUを採用を検討することのメリットは何でしょうか?まずはそれを列挙してみます。

・CPU価格へのプレッシャー
・Intelのチップセット戦略へのプレッシャー

CPU(とチップセット)の価格に関しては、Appleは以前からIntelに対してかなりディスカウントされていると噂されています。最初に発売されたIntel Macは、仕様の発表時のCPUスペックがワンランクアップさせながら価格を据え置きで出荷されました。またMacにはIntelのシールが貼られていない唯一のIntel CPU採用メーカーだと思いますが、決して他メーカよりも高いわけではありません。このため、相当なディスカウントがされているのではないかと思われます。

このあたりは現実歪曲空間の使い手であるCEOだからできることでしょう。2009年不況から廉価製品のほうが売れるようになった状況を考えると、Appleも低価格化に対応する必要があるでしょう。このため、Intelへの価格へのプレッシャーをさらにかける必要はあります。

Intelは、Core iシリーズからバスライセンスを他社に提供しない方針にしたため、NVIDIAがCore iシリーズのチップセットを作れなくなりました(Core MA系はまだOK)。このため、将来の廉価なMac系は、IntelのCPU+NVIDIAのGPU付きチップセットの構成から、IntelのCPU&チップセット+NVIDIAのGPU構成になると思われます。このためコストアップが想定されます。価格が重要なファクターになるカテゴリにコストアップは出荷数への影響は少なくないでしょう。

Appleは今のところOpenCLを推進するためにもNVIDIAもしくはAMDのGPUを搭載し続けるでしょう。Intelの自社で全てまかなうチップセット戦略では、低価格ラインナップではコストアップが避けられません。このため、Appleは、Intelの戦略を変更できないならば、コストアップを避ける方針を採るのは妥当です。このため、AMDをえさにIntelにプレッシャーをかけるのは至極全うな戦略だと思われます。

けどやっぱり、AppleがAMDのCPUを採用した場合のメリットはあるのでしょうか?そのメリット・デメリットを列挙してみます。

・若干安価な製品なラインナップを準備可能
・開発費の上昇
・NVIDIAのチップセットが使用できる
4wayシステムを構築するならば安価に作れる
・GPU戦略の優位性

AMDとIntelのCPUのコストパフォーマンスの比較はなかなかしづらいものがありますが、ここではLenovoのアメリカのサイトにあるThinkPad Edge 13"で比較してみましょう。Athlon Neo X2 Dual-Core L325を搭載した製品とCore 2 Duo SU7300の価格差は100米ドルです。WEIのCPUは、前者が4.1で、後者も4.1です。WEIが正確にCPUスペックをあらわしているわけではありませんが、それでも100米ドルの差があるほどではないでしょう。AMDのCPUのコストパフォーマンスは安価カテゴリならばIntelよりよさそうです。

開発費の上昇は私にはどの程度かわかりませんが、IntelとAMDのバスが違うため両方のCPUに対応するメーカーは開発費がアップは回避できないでしょう。

NVIDIAのチップセットを使用するメリットは、3way-SLI等のハイエンドの構築する事が可能になります。Mac Proのラインナップにそのような製品を出す予定および需要があるかはわかりませんが...

AMDの新Opteronラインナップは4way構築でも安価な価格戦略をとり始めました。もしAppleが4way製品を作るならばAMDのCPUを採用するメリットがあるかも知れません。ただし、Appleはいまだに2wayしかシステムしか作っていません。

Appleもデータセンターを作っていると言われています。より大規模なシステムを構築するには4wayシステムも必要です。現在(2010/4/23)最速のスパコンであるJaguarは、Opteronの4wayシステムで構築されています。Appleがデータセンターを作るならば自前ののXserveで作るでしょう。そうなるとXserveに4wayタイプを作るためにOpteronを採用するのも悪い選択ではないかもしれませんが、最近のデータセンターは安価なハードで頻繁に交換するほうが低コストになると言われているため、4wayのXserveを作るメリットはあまりないかも知れません。

AMDとIntelは次世代のCPUにGPUの機能を盛り込みます。ただし、IntelのSanday Bridgeは、AMDのLlanoに対して劣っていると言われています(まだ出ていない製品のため決め付けることはできませんが)。このため近い将来において安価なラインナップCPUにGPUを充実させるにはIntelよりもAMDのほうが優れていると言われています。ただし、これは実際の製品を出ない限り断定はできませんが。

Appleに関しては、次世代iPhoneの噂のネタもあるため、AMDのCPU採用の噂も似たような情報操作やブラフの可能性が十分にあります。

AMDとしては顧客が増えることは悪いことではないですが、Dellに採用されたときの混乱を考えるとAMDがAppleの要望に応えるかわかりません。またAppleは調子が良いとはいえ世界市場ではたった3.5%のシェアを持つPCメーカーです(Toshibaの5.5%よりも小さい)。売り上げを考えるとどこまでAMDが対応すべきか難しいところだと思われます。

このため、AppleがAMDのCPUを採用する噂は実現されないのではないかと思います。それよりもAppleのARM買収のほうが、最近の行動を見ているとより現実味がある噂だと思います。

Comment(2)

コメント

TETSU

Apple側から考えると大きなメリットは少ないですが、AMD側からするとメリット(イメージ的な?)ありそうなので、大きなディスカウントを受けられる可能性もありますね。
そしてIntelからの圧力を受けない数少ないPCメーカーとしてのAppleはAMD側からすると大事なお客さんでしょうw

AMDの問題は、やっぱり製造ですね。
予定通りちゃんと製造出来るのかどうか・・・過去の数々の問題から難しいでしょうね。
発売時に大量の玉が必要なAppleとしては、製造に問題ある取引先とはあまり付き合いたくないでしょうから・・・
シェアで言えば少ないAppleですが、同一機種での売上では非常に大きいメーカーですからね。

櫻吉清

TETSUさん
コメントありがとうございます。
TETSUさんの指摘のとおりAMDでは、昔Dellに収めるときのトラブルが
あるので、Appleに採用されても...というのがありますね。
今後もお願いいたします。

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