Gartnerの発表している数字から不況の度合いを測ってみる
「2008年の世界の携帯電話販売台数は6%増――Gartner調べ」を読んで、どの程度の不況なのか、Gartnerが発表しているデータから判断できないかと調べて見ることにしました。
Gartner Nersroomで、少しデータを公開しています。その中で長期(2006~2008年)にわたって公開しているデータで、サーバ、PC、携帯電話の出荷台数の前年同期比をグラフにしてみました。
いくつか驚くデータになっています。
携帯電話は、集計期間内ではすでに成長の鈍化を示していました。これは、携帯電話はすでに飽和状態になりかけていたのでしょう。この状況で、今回の不況がもろに衝突し、マイナス成長まで落ち込んだのでしょう。携帯電話は、Q3'08から不況の影響が出ているように見えます。
サーバは、Q4'06で非常に悪い数字が出ています。それ以降は回復していましたが、Q3'08から大幅に低下が始まり、Q4'08では目も当てられないほど壊滅状態に陥っています。Q3'08から企業が不況のあおりを受けて、投資を大幅に抑止していたようようです。
PCは、Q4'06でVista発売延期に伴い出荷台数の伸びが鈍化していましたが、それ以降は順調に伸び、集計期間内でQ3'08は最も高い数字を出していました。ですが、Q4'08には一転して一桁成長まで落ち込みました。PC出荷台数の伸びは、もっとも売り上げが多いQ4でここまで低下したことは、今後の低成長率を暗示している感じすらします。
3つのデータで、Q4'08が各分野でもっとも悪い成長率を示しています。また、携帯電話とサーバでは、Q3'08からすでに悪化しているデータが出ていました。
ここまで急に状況が悪くなれば、多くの企業が不況に対応できるとは思えません。特に、サーバでもPCでも前四半期よりも10ポイント以上も前年同期比が低下して、対応できるとはとても思えません。
このデータを見て、今後はどのように回復することができるのか、見続けてみたいと思います。