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「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」と「カーネギー 心を動かす話し方」に共通する秘訣(1)ーフレームワーク

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 現代の世界No.1コミュニケーターとして有名な「スティーブ・ジョブズ」と、
100年前に話し方教室をはじめ、今では世界中にビジネス・トレーニング・コースを展開している「デール・カーネギー」

 この二人から、最も重要なたテクニックをつかみ取るために、新旧二つの本

 「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」

 「カーネギー 心を動かす話し方」

で共通している原則、ポイントを探してみた。

 「スティーブ・ジョブズ~驚異のプレゼン」では18の表現

「カーネギー~心を動かす話し方」では47の原則が紹介されている。

 今回は、「構成(フレーム・ワーク)、筋書き」に関連する共通点を調べてみた。結論としては、

” 「P、R、E」または「E、P、R」の順に説明する”

であり、ポイント(P)は、3つ程度に絞り込んで、事例(E)や理由(R)では、聴衆が具体的に結論をイメージできるように例示、実例、誰かの実際の声を使う

が共通していることがわかった。

 それぞれについて、もう少し深く見てみよう。

<カーネギーのマジック・フォーミュラー>

 「カーネギー~心を動かす話し方」で、聞き手に行動を起こさせる”短い話の構成”として推奨されているのがカーネギーの

「マジック・フォーミュラー」

である。
 これは以下のように”E・P・R”の順で話す方法だ。 これにより、話にストーリー性を持たせることができる。

1.実例(Example)
  最初に話のポイントに合った具体的な「実例」「経験談」を話し、観衆にシチュエーションをイメージさせて話に引き込む

2.要点(Point)
 実例の後に、話したい要点を、短く、具体的に、3、4ポイントに絞って、信念を持って話す

3.理由(Reason)
 最初に紹介した実例からわかる理由やメリットを”最も聴衆が期待している”部分に絞って説明する

である。私のブログ記事は、単に情報をお知らせしたい場合を除けば、基本は上記の順番で構成している。

<スティーブ・ジョブズ~驚異のプレゼン>

 さて、もう一つの本、「スティーブ・ジョブズ~驚異のプレゼン」では、構成、説明の順番、流れについて、明確なフレームワークは紹介されていないが、「9つの構成要素」を盛り込んでいるようだ。

1.ヘッドライン
 ブログ記事のタイトルや新聞のヘッドライン、CMのキャッチコピーのように、聴衆に覚えて欲しい点一つを、ツイッターのように70字以内で見せる。
 ここで、「救世主的な目的意識」を表現する。様々な問題をまとめて解決する新しい世界を提供するような。

2.パッション・ステートメント
 製品、事業、ビジョンへの情熱、愛情を表現する。「優秀な営業マンに見られるコンピテンシー」の一つとして、この製品、事業への愛情、情熱が必要といわれている。

3.3つのキーメッセージ(ポイント)
 ヘッドラインを 聴衆の「一番大切な問いに答える」3つのポイントに落とし込み、このプレゼンの後半に何を語っていくのかの筋道(ロードマップ)を見せる。
 そして、それぞれに具体的な敵役を用意して、自分の製品を正義の味方に見立てて解決して見せるのだ。

4.メタファーとアナロジー(例えによる理由の説明)
 聴衆に良く知られている物の中で、今回紹介したいものと似ているものや、まったく別なものに例えて、聴取に具体的にイメージさせる。

5.デモ(実証)
 ジョブスは、1~4で短くインパクトを与えた後は、大半の時間をデモに費やす。聴衆に見せたい部分を簡単そうに見せる。

6.パートナー
 製品発表で、協力関係にある企業がエンドース(後押しするコメント)を紹介することが多いが、彼はも協賛する企業のCEOや応援する歌手の声を紹介する。

7.実例と推奨

 パイロット導入企業、ベーターテスターの声、既に導入している企業の実例などを紹介する。

8.ビデオクリップ
 楽しそうな製品開発者の声、テレビCM、利用者の声などをビデオクリップで流す。

9.フリップチャート、小道具、実物で説明
 スライドにこだわり過ぎず、物理的な世界の道具を使って五感に訴える。

<ジョブスのプレゼン構成とカーネギーとの共通点>

 ジョブスの9つの構成要素は、構成要素とプレゼンで利用するツールを混ぜているが、ツールを除いてい見るとストーリー展開のための要素が見えてくる。

 要は、
・「ヘッドライン」でビジョンを示し (ビジョン)
・「3つのキーメッセージ」でヘッドラインを3つのポイントに落とし込み (ポイント)
・「メタファーとアナロジー」で例えて、それぞれの理由をイメージ化し (理由)
・それそれについて「デモ」や「パートナー」「ビデオクリップ」「実物」を使って「実例と推奨」する (事例)

 であり、簡単に書くと以下の4段構成になる。

 ①ビジョン(V)
 ②ポイント(P)
 ③理由(R)
 ④実例 (E)

 実際にジョブスのプレゼンを見ていると、要所要所でポイントを繰り返し伝えていることから、ビジネスでのプレゼンで一般的になっている「PREP(プレップ)」の構成になっていることがわかる。

 「PREP」については、「プレゼンテーションの基礎「PREP編」l で紹介したので参考にしてほしい。

 ジョブスのプレゼンは、「PREP」という一般的な構成になっているが、プレゼンでの

・ビジョンの大きさ
・パッションの表現方法
・効果的な登場人物と比ゆによる、実現性、可能性を具体的にイメージさせる力
・ビデオやデモ、小道具の使い方、見せ方

で、他のプレゼンテーターに大きな差をつけているのだろう。

<カーネギーとジョブスの共通点>

 カーネギーとジョブスのプレゼンの構成、説明順序という意味での共通点は以下となる。
 少し短絡的だが、これが、基本的、普遍的なプレゼンテクニックになるのではないだろうか。

共通点1:「P、R、E」または「E、P、R」の順に説明する
    プレゼンに
    「P」ポイント
    「R」ポイントに対する説明
    「E」例(比ゆ)、実例(お客様事例など)、実証(デモや協力者の声など)
    を盛り込む。この並び順は、短いスピーチならEPR、ある程度の時間ならPREの順に行うのが効果的。

共通点2:ポイント、例やデモで見せるものはを3つ程度に絞り込む
    聴衆は3、4のポイントしか記憶に残らない。聴衆が知りたいこと、知らせたいことを、3、4ポイントに絞る。

共通点3:聴衆が具体的にイメージできるように説明、例示を行う
    説明、デモ、事例紹介は、聴衆が実現後の姿、そこから得られるメリットを具体的にイメージできることに注力する

 お客様向けのプレゼン、社内でのプランの説明、ブログ記事などで、ぜひ試してみて欲しい。

 今回は、構成(フレームワーク)についてまとめたが、このブログ記事のアクセスが多ければ、次回はプレゼンにおける「話し方」テクニックの共通点をご紹介したい。

参考

ビジネススキル関連記事一覧 http://blogs.itmedia.co.jp/kenjiro/cat3829474/

○ジョブズにLotus Notes/Dominoを紹介させたら・・・(カモシーさん)

○「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」読書途中のメモ書き(1):永井さん

○「ジョブズ」カテゴリーの記事一覧: 松尾さん

○プレゼンテーションZenに学ぶ 「プレゼンはシンプルで行こう」:斉藤さん

 

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