骨髄移植の意思確認の連絡が来た
私の骨髄のHLA型と一致する(白血病の)患者がいるという連絡が来た。 妻に「骨髄移植するから、よろしく」と家族に話すと長女は大賛成、妻と次女は反対であった。
妻と次女は「息子が病気の時でも休みをとらず、有給も去年は1日しかとっていないのに、最後まで誰に提供したかもわからず、一銭の得にもならず、会社が理解してくれないかもしれない1週間の入院をしてまでする意味があるのか? 絶対に危険がない言い切れるわけではないし」という意見である。
長女は「これで誰かが助かるんだから、すぐに行けば?」と損得の問題ではなく、提供することを自然なあたりまえのこととして捕らえている。 これらの会話を聞いていた小学3年生の息子が「お父さん死なないで」と抱きついてくるという大げさな話になってきた。
実は、私も自発的にドナー登録したにもかかわらず、いざ連絡が来てみると不安と打算がかけめぐり、迷っていた。そして、「この忙しい時期でなければ」と、面倒なために、やらない理由を考えしまったり、、。
このように大げさな話になる理由は、情報を正確に捉えられていないからだと考え、インターネットで日本骨髄移植のホームページを見て、ドナーのコミュニティの情報や患者さんのコメントを読み実際に骨髄移植をした人のブログを家族に見せると落ち着いてくる。
また、NHKのプロジェクトX の骨髄バンク設立で、ボランティアの学生(白血病患者)と担当医師が苦労して骨髄バンクを設立したことをやっていたことを思い出し、これもインターネットで調べて見せた。
この後、様々な話をし、私の意志も固まり、家族も同意して月曜日に同意書を送ることに決めた。 今は、人の生死に関わることで自分が役にたてる可能性があることがうれしい(患者さんは、それそころではないと思いますが)。
上記のリンク先を見てもわかる通り、骨髄移植は、入院は必要だが、ちょっと大げさな献血というレベルである。 もっとも簡単に人助けの満足感が得られる方法とも言える。読者の中に、まだ、ドナー登録をしてない方がいらっしゃれば、登録だけでもしてみてはどうだろうか。
今回、ブログというものが、グループウエアや他のシステムと大きく違うものを感じた。 ここにリンクを載せることはやめたが、今、白血病で苦しんでいる患者が、昨日書いた「魂」の入ったリアルな気持ちをブログから感じ取ることが出来た。 これがブログやSNSの力なのだろう。
<後書き(時間のある方に)>
「骨髄提供の依頼が来た」と書いたが、実際に私が見た連絡は「骨髄提供に関する意思確認の用紙を送ったが、2週間たっても連絡が来ていない」というものだった。 妻に送られてきた覚えがあるか聞くと、ちょっと曖昧に「知らない」との返事だった。 最初に送られてきたはずの手紙は、妻が隠したものと容易に推測できる。
7、8年前に「骨髄移植のドナー登録」し、それとは別に、私がいつ死んでも誰かの役に立てるようにと「臓器提供意思表示カード」も所持するようになった。 しかし、両方とも妻は大反対だった。 少々記憶が曖昧だが、当時は骨髄移植はドナー(提供する側)にも危険が少なからずあり、長期入院が必要であることが反対の理由だった。 臓器提供に関しては「”死んだら臓器提供する”ことをサインをすると、賢ちゃんが本当に死にそうな気がする」と言って、なかなかサインしてくれなかった。
実際、入院特約付きの生命保険に入った数ヵ月後に、癌の疑いで2ヶ月入院することになったり、近所の生命保険をやっている奥さんの勧めで、車の保険を変更し車両保険の特約つきに変更した数ヵ月後に、ゴルフボール大の雹が大量に降り、車がぼこぼこになった。
妻と次女が反対していると最初の方で書いたが、彼女たちは決して単なる打算で言っているのではなく私に対する愛情だと思っている。 妻は、そのような素直な表現は苦手としている。