サンフランシスコのインキュベーションセンター
元オラクルのマイナーさん(Mr. Allen Miner)のSun Bridgeが主催する"jannovation week"に同行する機会をいただき、昨日サンフランシスコのインキュベーションセンター等を訪問してきた。
jannnovawion weekとは、日本の起業家や起業を予定している方を中心に、シリコンバレーにおけるスタートアップの姿を肌で実感し、世界に向けて今後のビジネス醸成に役立てることができるようSun Bridgeが企画したもので、起業家、学生、大学教授など総勢30名ほどの参加者がいた。ツアー内容として、サンフランシスコやシリコンバレーのインキュベーションセンターやスタンフォード大学等を訪問し、スタートアップ体験談、アメリカで活躍している日本のIT企業の経営者による開発やグローバルビジネス展開の話などを実際に聞くことができる、とても濃い内容となっている。
また、ツアー最終日には今回参加している日本の起業家およびシリコンバレーの起業家による3分間プレゼンテーションコンテスト"jannovation jam"も予定されている。
昨日、訪問したサンフランシスコのインキュベーションセンター、"RocketSpace"
は、初期投資を受け次のビジネス拡張を目指すスタートアップ企業に、スペースとネットワークインフラ等を月次一人あたり650ドルで提供しており、今までにZapposなどが巣だっていっている。RocketSpaceの特徴は、完全にテクノロジーにフォーカスしていることで、サービス関連などのスタートアップは受け付けていない。現在、総勢260名ほど入居しており、さらに毎日2〜3通の申込希望があるという。
インキュベーションセンターの特徴として、
- さまざまなテクノロジーを持つスタートアップ企業が同じスペースを共有し、横のつながりによるビジネス発展
- 新しいテクノロジーに注目する大企業や成功企業とのネットワーク構築
- ベンチャーキャピタルや弁護士等とのネットワーク構築
- スタートアップ経験者やビジネス成功者からのアドバイス
といった相乗効果があり、これがまさにシリコンバレーにおける"Ecosystem"として機能している。
現に、RocketSpaceにはKickLabsというベテラン実業家による付加価値の高いメンターサービスを提供する企業も参加している。
インキュベーションセンターが、スタートアップ企業への単なるスペース貸しではない理由がこういったところにある。
ところで、シリコンバレーと言えば、南はIntelのあるサンタクララやAppleのクパティーノあたりから、Googleのマウンテンビュー、HPのパロアルト、Facebookのメンローパークを経て、北はOracleのレッドウッドショアーズあたりまでの一帯をさしていたが、1999年にSalesforce.comの本社がサンフランシスコにできた頃から一気に北に拡張している。
サンフランシスコは東西、南北にそれぞれ7マイル(11キロメートル)ほどの小さな街で、今までは観光中心の街というイメージが強かったが、TwitterやLinkedInと言ったソーシャルメディア、Zyngaに代表されるゲーム、そしてモバイル系の会社が集まってきている。New YorkでスタートアップしたGeolocation SocialのFoursquareも、西の拠点としてサンフランシスコオフィスを開いている。
優秀な人材も集まり、少数精鋭による開発のため巨大なスペースも必要としない。
また、シリコンバレーの今までのスタートアップの特徴は、300万ドルくらいの多額な資金調達と開発期間18ヶ月といった長期の開発後にマーケットに進出というタイプだったが、最近は30万ドルほどの少額資金で半年ほどの開発期間でマーケットに進出するというタイプが主流のようである。ここで、大きな役割を果たしているのがFacebookなどのプラットフォームで、既存のプラットフォームを利用して独自のテクノロジーを開発することにより時間短縮を図っている。