教育の場におけるソーシャルメディアの活用
ニュージャージー州のある高校の校長は、自らもTwitterアカウントで12,000人強のフォロワーを抱えているが、学校としてもソーシャルメディアを教育に取り込むよう積極的に進めている。
校長や教師たちは、Facebookを用いて生徒や親への伝達事項や再確認事項などコミュニケーションを図ったり、卒業生の活躍などを紹介したりし、一方、生徒はFacebookに自分の研究や作品を公開したり、イベントの企画などを行っている。
また、学校内で携帯電話を禁止するケースは多いが、この学校では携帯電話を"モバイルラーニングデバイス"という位置づけで考え、携帯電話を利用したクラスでの投票やクイズの回答などを行ったりもしている。
第三次産業革命と言われるInternetが普及してから15年以上経った現在、Internetは生活の一部として広く浸透し、またソーシャルメディアの台頭とともにコミュニケーションのデジタル化も加速している。これは、教育の世界でも同様である。
おそらく今まで、FacebookやTwitterやYouTubeといったソーシャルメディアは、高校のような教育の場で長らく禁じられてきたが、生徒間でより質の高い研究成果を発表しあったり、スパムや著作権などのように今まであまり注意をはらってこなかったようなものにまで注意を払うようになるなど、実際は教育によい効果をもたしている側面も多い。ただ単にソーシャルメディアの利用を禁止するのではなく、今後は教育目的のために活用する動きも活発になってくるだろう。事実、ニュージャージーの高校のような動きは他州でも始まっている。
重要なことは、Internetやソーシャルメディアをただ解放するのではなく、事前に生徒たちにそのリスクを拡大誇張することなく教育し、その有効性のもと、利用に関するガイドラインを両者同意のもとで使用していくことだろう。これは、教育の場に限ったことではなく、企業におけるソーシャルメディアの利用におけるポリシー策定も同様である。