That's Entertainment!(1)~米国人と娯楽
ここまで、やや硬めのトピックが続いてきましたが、今回から3回ほど、エンターテイメント系の話題に触れてみることにします。米国では、7月4日の独立記念日(Independence Day)を目標に主要IT企業を含む大手企業に勤める従業員の多くが比較的長めの休みに入ってしまうため、全体にニュースの出が悪くなります。ちょうど、日本でいうところの盆休みという感じでしょうか(感謝祭前後のホリデーシーズンが暮れの休みですね)。ネタも少ないということで、ITとは直接関係ありませんが、たまにはこうした話題もいいのかと思います。
ハリウッド王国に転機
ご存じのように、映画の都ハリウッドは、カリフォルニア州ばかりでなく、米国の主要輸出産業の1つであり、文化に根ざした産業というだけでなく、経済を支える基盤としても機能しています。2004年の興行収入は約95億ドルにも上ります。米国人の週末の娯楽としても、なくてはならないものの1つだといえるでしょう。
参考資料:JETROの調査レポート
実際、私自身も渡米するまではそれほど映画を見る人間ではありませんでしたが、こちらに来てからというものは、英語の勉強も兼ねてなるべく毎週見に行くようになりました。出張で忙しくて見られないときや、面白そうな作品が同時公開されるときは、週に2~3本まとめて見ることもあります。また、少し長期間こちらに住んだ方はわかると思いますが、米国には日本ほど娯楽がありません。週末の楽しみといえば、映画館に行くか、あるいはクラブやレストランに友人と繰り出したりするくらいなのです。そういう理由もあり、だいぶ映画が自分にとって身近な存在となりました。
さてこの映画産業ですが、1つの転機を迎えつつあります。映画の興行収益はここのところ連続でマイナス成長を続け、全体に横ばいとなっています。前述のJETROの資料によれば、10年ほど前と比較して業界全体として7割以上の規模増大となっていますが、最近ではやや鈍化傾向にあるようです。また観客動員数もここ2~3年で減少しているようですが、映画料金の値上げで売上全体の落ち込みをカバーしています。実際、ここ1~2年ほどで、近所の映画館が1ドルほど値上げしていたのを思い出しました。
2004年は「Shrek 2」「Spiderman 2」「The Passion of The Christ」といった3億5000万ドルオーバーの超大ヒット作が3本登場するなど、全体に大きく盛り上がった年ではありましたが、業界全体を浮上させるにはパワーが足りなかったようです。そうした背景を受けてか、最近になりハリウッド関連で2つほど大きなニュースがありました。
――次回「映画の都「サンフランシスコ」!」に続きます。