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米西海岸サンフランシスコから、ホットなIT/イベント/おすすめスポット情報をお伝えします

無線LANホットスポットを考える(1)~ベイエリア編

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最近、個人的に使えるオフィス・スペースを探している。いまはベッドから起床してわずか2歩、Studioといういわゆるワンルーム・サイズのアパートの1室が寝室兼仕事部屋である。通勤という面では楽なことこのうえないが、「いつまでも作業できる」ということが念頭にあるため、だらだらと仕事を続けてしまい、行動にメリハリがなくなってきてしまっている。生活習慣改善のためにも、プライベートとビジネスをきっちりと分け、さらに仕事効率をアップさせようというのが狙いだ。

現在、1BR(Bedroom)以上の間取りで、駅やコンベンションセンターから近い家を物色中だが、諸所の事情から引っ越しは早くても夏過ぎになりそうだ。そこで気分転換のためもあり、今週から日中は外で作業をするようにしている。仕事的にはインターネット接続と各種紙の資料(取材時のメモなど含む)、そしてノートPCがあれば十分なので、比較的身軽だ。そしてインターネット接続がほしいときの強い味方となるのが、無線LANホットスポット・サービスである。現在執筆しているこの本文も、バス等で移動中に内容をまとめ、ホットスポット経由で投稿している。

ベイエリアのホットスポット・サービス

米国への旅行者や出張中のビジネスマンにとって心強いのが「ホットスポット」だ。日本ではウィルコムやKDDIが携帯電話(PHS)でのパケット定額サービスを提供していたりするが、ここ米国ではそうしたサービスはあまりメジャーではない。Verizon、Sprint、Cingular、T-Mobileなど各社は携帯電話を利用したデータ通信カードも提供しているが、高額低速ということもあり、あまり一般では利用されていない。どこでも通信できることはメリットだが、車での移動がメインの西海岸では、長く休憩できるような特定の場所以外で通信する機会はほとんどない。それならば、そういった休憩所にホットスポットを設置したほうが、PCユーザーにとってはむしろ快適である。そうした事情もあり、米国、特にベイエリア近辺では日本よりもホットスポット環境が充実しているように思える。

ベイエリアでホットスポット・サービス提供に力を注ぐ2企業としては「T-Mobile」と「Wayport」の2つが挙げられる。両社をあわせて、主要空港、ホテル、喫茶店、本屋などの主要スポットは押さえられており、ノートPCを開いてアクセスポイントの検知を行うと、だいたいいずれかのサービスが引っかかる。利用料は、だいたい年契約の月額料金が30~40ドル程度。それほど高くも安くもなく、値段的には手ごろなのではないだろうか。

Relaxing outside of  Starbucks Coffee store somewhere in Los Angeles 私が現在接続に利用しているのは、T-Mobileの接続サービスで、Starbucks Coffee店内からの接続である。同社はStarbucks Coffeeと提携で、米国全土のStarbucksにホットスポットを展開中だ。自分の行動範囲で見る限り、そのカバー率は8~9割を超えているように思う。Starbucksさえ見つければインターネット接続ができるわけで、これは非常に便利だ。まわりを見ると、学生らしき集団がノートPCを開いてレポートを執筆している。同様の光景はBurns & NobleやBordersなどの本屋でも見かけるもので(米国の本屋や椅子や喫茶店が併設されて立ち読みが普通にできる)、比較的ホットスポットの利用が進んでいるといえるだろう。

対するライバルのWayportは2004年4月に米McDonald'sとの提携を発表しており、全米のMcDonald's店舗にWi-Fiによるホットスポット展開を進めている。6月14日(現地時間)のAP通信の記事だが、米McDonald'sは本社がある米イリノイ州シカゴに、こうした無線LANホットスポットと音楽CD販売キオスク、何十台もの大型プラズマ・ディスプレイによるTV放送設備などを備えた未来志向(?)のモデル店舗を設置しているようだ。最近では、ATMカードなどのデビットカードで決済ができるMcDonald's店舗も登場しているようである(通常はキャッシュでの決済のみ)。利用者の幅を広げるためにいろいろ努力をしている様子はうかがえるものの、Starbucksに比べて客の流動性が高く、どちらかといえばノートPCを持っていないような低所得層の利用者が比較的多いMcDonald'sに、ホットスポットを必要とするようなビジネスマンや学生層などを惹きつける呼び水になるかは微妙な気がする。ハンバーガーを両手でほおばりつつ、ノートPCを開いて長時間居座るような場所でもないだろう。ホットスポット利用には、ある程度落ち着いた空間が必要なのだ。

――次回「出張編」に続きます。

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