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無線LANホットスポットを考える(2)~出張編

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そして出張へ

いま現在、月に平均で1~2回ほど遠方への出張の機会がある。国土の広い米国では、旅の足といえば飛行機になる。ゆえに空港によくお世話になっている。だがこの空港が曲者で、ゲート通過のための行列がものすごく長く、最低でも出発時間の2~3時間前には空港に到着して余裕をみていなければならないというお約束がある。ケース・バイ・ケースだが、思ったより早くゲートを通過できてしまうこともあり、2時間ほど手持ち無沙汰になってしまうこともある。時間がもったいないので仕事をすることになるのだが、そうしたときに強い味方となるのがホットスポットだ。

People can find hotspots at O'Hare airport in Chicago ここで問題となるのが、ホットスポット・サービスの提供業者だ。ベイエリアには「San Francisco International Airport(SFO)」「San Jose International Airport」「Oakland International Airport」の3つの空港が存在する。よく利用するのがSFOで、次いで安いという理由でOakland空港を利用するのだが、両者でサービス事業者が異なっている。SFOはT-Mobileがサービスを提供しており、San JoseとOaklandはWayportがサービスを提供している。T-Mobileは通信アカウントを持っているので問題ないが、残り2つの空港のサービスを利用するにはWayportとの契約が必要となる。1日約10ドルで利用できる1日パスというのも存在するが、「もう少し安かったならな……」とか考えてしまう(貧乏なので……)。

同様の問題は、目的地にある空港でも起こる。提携事業者同士の連携がないため、出張のたびに接続料金を別途支払わされることになる。これはホテルで提供しているホットスポット接続やDSLサービスでも同様で、新規コネクションのたびに10ドル以上の接続料金が必要になる。結果として、1回の出張でインターネット接続料金だけで80~100ドル近くかかってしまう。これは会社経費で落とせない私のようなフリーランスにとっては、けっこう痛い出費だ。もう少し事業者間で連携が進んで、ローミング・パートナーが増えてくれれば……と願っている。

また、ロサンゼルスに出張したとき、トーランスのHomesteadというモーテルでは、宿泊者だけにIDとパスワードを配布して、実質的にタダでホットスポットが利用できるサービスを提供していた。事業者が介在する以上、宿泊費と別料金を請求されるのは仕方ないのかもしれないが、この無料接続サービスみたいなものを提供するホテルが増えてくれると嬉しいかなとも思う。

最もホットスポットが充実した米国の都市は?

米Intelが6月7日(現地時間)に発表した最新の調査報告によれば、2005年4月時点で全米で最もホットスポット環境が充実した都市は米ワシントン州シアトルだったという。同社がCentrinoのプロモーションも兼ねて毎年行っている調査からわかったものだが、過去に選ばれた都市は「オレゴン州ポートランド」に「カリフォルニア州サンフランシスコ(ベイエリア)」というように、西海岸に集中していることがわかる。地方都市はともかく、大都市などでは確かにホットスポットの充実が進んでいるようで、サンフランシスコ・ジャイアンツの拠点であるSBC Parkなど意外な場所にもホットスポットが広がっているようだ。

有料ばかりでなく、有志が政府が提供する無料のホットスポットも存在する。実際、サンフランシスコやサンノゼなどの中心部近くの通りで、無料のホットスポットが提供されていたりする。また以前にニューヨークのマンハッタン島でホットスポットを調査したとき、公園などを中心に無料ホットスポットが展開されていることがわかった。だが実際のところ、人通りの多い道や外れにあるような公園にホットスポットが設置されていても、ノートPCを広げる余裕などなく、使い物にならなかったりする。結局のところ、喫茶店やホテルなど、落ち着ける場所でない限り、ホットスポットはあまり役に立たない。そうした場所では、有料のホットスポット・サービスの展開がすでに行われている。

将来的に、無線LANを使ってIP電話ができるスマートフォンなどが登場すれば、こうした場所にある無料ホットスポットも意味を持つことになるかもしれない。だが実際のところ、ノートPCを使ってインターネット接続を行っている以上は、あまり恩恵に預かれないのが現状だ。

モバイル・オフィス探しから始まったホットスポット考、インフラは整いつつあるものの、サービスの提供形態はまだまだ工夫の余地がありそうだ。

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