【図解】コレ1枚でわかる作らない技術
できるだけプログラム・コードを書かずに、ITサービスを実現する手段として、次の3つの取り組みが、注目されています。
アジャイル開発
高品質で無駄なく変更要求に即応できるソフトウェアを実現する
アジャイル開発が生まれるきっかけは、1986年に経営学者である野中郁次郎と竹内弘高が、日本の製造業の高い効率と品質を研究した論文をハーバード・ビジネスレビュー誌に掲載したことにあります。それを読んだジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)らが、システム開発への適用を考え、1990年代半ばにアジャイル開発の方法論としてまとめました。ですから、アジャイル開発には、伝統的な日本の「ものづくり」にある、「不断の改善により、品質と生産性の向上を両立させる」という精神が、埋め込まれているといってもいいでしょう。
その精神の根本には、現場重視の考え方があります。業務の現場であるユーザーと開発の現場である開発チームが、達成すべきビジネスの成果や何をしたいのか、その優先順位や使い勝手はどうなのかを対話し、ビジネスの成果に貢献する、本当に使うプログラム・コードのみを迅速、高品質で開発しようというのです。また、不断の工夫と改善によって無駄を省き、変更要求にも即応して、改善し続けることで生産性を高める努力も怠りません。そんな開発の考え方と実践する手法が、「アジャイル開発」です。
DevOps
開発・変更したアプリケーションを直ちに本番環境に移行する
開発チームが、アプリケーションの開発や変更に即応できても、本番環境に反映できなければ、その成果を現場は享受できません。一方運用チームは、システムを安定稼働させる責任を負っています。開発できたからと、すぐに本番環境に移行させても、不具合が起これば大変です。そこで、プログラムを稼働させるサーバーやネットワーク、オペレーティング・システムなどの本番環境で間違いなく動くことを慎重に検証し、大丈夫となれば本番へ移行します。ただ、このような一連の作業には相当の時間と手間がかかります。
そこで、開発チームと運用チームが、お互いに協調し、また運用や本番移行を自動化する仕組みなどを積極的に取り入れ、開発と運用が途切れることなく連続する仕組みを実現し、ビジネスを止めずに、繰り返し、高頻度で本番移行する仕組みが必要です。これを実現する取り組みが「DevOps」です。
クラウド
事業の成果に直結するアプリケーションに資源を傾注する
DevOpsを実現するには、インフラ資源の調達・変更も柔軟・迅速でなくてはなりません。そのためにサーバーやストレージなどの物理資源を個々のアプリケーションに合わせて導入、設定している余裕はありません。そんなインフラをソフトウェア化しサービスとして使えるようにしたのがIaaSです。
それでもまだインフラを意識して、アプリケーションを開発しなくてはなりません。そんなインフラのことに気をかけることなく開発、実行できれば、柔軟性と迅速性は高まります。そこで予め用意された機能部品を組合せ、連係させてアプリケーションを開発・実行させる仕組みや、業務プロセスを記述し、画面や帳票を定義すれば、プログラム・コードを生成してくれるツールなどを利用し、開発スピードだけではなく変更への柔軟性を高めます。そんな手段を提供してくれるのが、「クラウド」です。
どれかひとつができても、全体がつながらなければ、全体のスループットは上がりません。これらを流れる水のごとく連続させ、高頻度で繰り返して改善し、機能の向上を図ることが、これからの開発や運用には求められています。
また、クラウドを積極的に使うとなれば、「ゼロトラスト・ネットワーク」は、前提となります。また、プロフェッショナル同士の高い信頼関係を土台に、率直に建設的な意見を交わせる人間関係である「心理的安全性」も組織風土として育ててゆかなければなりません。組織の全てのメンバーが「心理的安全性」に支えられ、自律的に仕事に取り組むからこそ、圧倒的なスピードが生まれるのです。
6月22日・販売開始!【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド・改訂第5版
*カテゴリー1位を頂きました!
生成AIを使えば、業務の効率爆上がり?
このソフトウェアを導入すれば、DXができる?
・・・そんな都合のいい「魔法の杖」はありません。
これからは、「ITリテラシーが必要だ!」と言われても、どうやって身につければいいのでしょうか。
「DXに取り組め!」と言われても、これまでだってデジタル化やIT化に取り組んできたのに、何が違うのかわからなければ、取り組みようがありません。
「生成AIで業務の効率化を進めよう!」と言われても、"生成AI"で何ですか、なにができるのかもよく分かりません。
こんな自分の憂いを何とかしなければと、焦っている方も多いはずです。
そんなあなたの不安を解消するために、ITの「時流」と「本質」を1冊にまとめました! 「そもそもデジタル化、DXってどういう意味?」といった基本の「き」からはじめます。「クラウド」や「IoT」、「AI」など、知らないでは済まされないトピック、さらには「生成AI」や「AIエージェント」、「量子コンピュータ」といった最先端の話題まで、しっかり解説します。特に「生成AI」については、丁寧に解説しました。
DXについては、いまや成果をあげることが求められています。そんな「DXの実践」について、ひとつの章を設けて丁寧に解説しました。
この1冊で、「ITの最新トレンド」と「DX実践の勘所」をつかみ取って下さい。
- 【特典1】掲載の図版はすべてPowerPointデータでダウンロード、ロイヤリティフリーで利用できます。社内の企画書やお客様への提案書、研修教材などにご活用ください!
- 【特典2】本書で扱うには少々専門的なITインフラやシステム開発に関わるキーワードについての解説も、PDFでダウンロードできます!
新入社員のための「1日研修/1万円」
今年で8年目を迎える恒例の"新入社員のための「1日研修/1万円」"の募集を始めました。
社会人として必要なITの常識を学び、ITに関わることのやり甲斐を考える
ChatGPTや生成AIの登場でビジネスの前提が大きく変わってしまいました。DXもまた再定義を余儀なくされています。アジャイル開発はもはや前提となりました。しかし、ChatGPTに代表される生成AIが何か、何ができるのかも知らず、DXとデジタル化を区別できず、なぜアジャイル開発なのかがわからないままに、現場に放り出されてしまえば、自信を無くしてしまいます。
そんな彼らに、いまのITの常識をわかりやすく、体系的に解説し、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと企画しました。
お客様の話していることが分かる、社内の議論についてゆける、仕事が楽しくなる。そんな自信を手にして下さい。
【前提知識は不要】
ITについての前提知識は不要です。ITベンダー/SI事業者であるかどうかにかかわらず、ユーザー企業の皆様にもご参加頂けます。
これからの営業の役割や仕事の進め方を学び、磨くべきスキルを考える
ChatGPTの登場により、ビジネス環境が大きく変わってしまいました。もはや、お客様からの要望や期待に応えて、迅速に対応するだけでは、営業は務まりません。お客様の良き相談相手、あるいは教師となって、お客様の要望や期待を引き出すことが、これからの営業には求められています。
AIやテクノロジーに任せるべきことはしっかりと任せ、人間の営業として何をすべきか、そのためにいかなる知識やスキルを身につけるべきなのか。そんな、これからの営業の基本を学びます。また、営業という仕事のやり甲斐や醍醐味についても、考えてもらえる機会を提供致します。
神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。