【図解】コレ1枚でわかるDXの実践と生成AI
ChatGPTが登場し、生成AIへの感心が一気に高まりました。そんな生成AIは、次のような成果が期待できます。
- 業務の生産性が大幅に向上する
- 高度専門スキルを容易に使える
- イノベーションを加速する
具体的には次のようなことができるようになります。
業務の生産性が大幅に向上する
- 伝えたい要点を入力し、伝える相手の属性を指定すれば、それにふさわしい表現や内容でレポートや提案書を書いてくれる。
- 実現したい機能を伝えれば、プログラム・コードを生成してくれる。
- 広告動画のシナリオを入力し、絵コンテを出力させて、必要な訂正を加えれば、内容にふさわしいキャラクターを生みだし、動画を生成してくれる。
これまでは、このような作業は、人間にしかできないとされてきたわけですが、生成AIが、これを代替してくれます。もちろん、現段階では完全とは言えません。人間の確認や訂正を必要としますが、その精度は急速に向上しており、同様のことを人手だけでやることに比べれば、生産性が大幅に向上します。これは、同じ業務時間で、これまで以上の仕事をこなせることでもあり、変化に俊敏に対処する能力を高めることになります。人間の労働生産性の向上にも寄与し、労働時間の短縮によるストレスの軽減や待遇の改善にも寄与します。
さらに、これまでであれば、時間的制約から、多様なやり方を試すことができなかった仕事も、同じ時間内で何度も試行錯誤ができるようになり、業務品質の向上や新しいことに取り組む上で成功確率を高めることにも貢献します。
高度専門スキルを容易に使える
Excelのマクロや関数を熟知して、使いこなしている人は、ほとんどいないでしょう。しかし、Excelに組み込まれた生成AIは、これらを熟知しています。そんなExcelに「こんな表を作って欲しい」と指示すれば、効率よく、洗練された表を作ってくれます。
プログラム開発に使われるツールであるGithubというサービスには、世界中のエンジニア達の作った膨大なプログラム・コードのデータベースがあり、それらを解析することで導かれた「優れたプログラム・コードの特徴やパターン」が、生成AIによって整理されています。これを使って、プログラムを書き出すと、ここはこうした方がいい、このように書いてはどうかとその場でアドバイスやよりよいコードのお手本を示してくれます。また、こんな機能を実現したいと伝えれば、仕様書の作成、テストコードの生成、テストと修正、本番システムへのリリースまでを一貫して実行してくれます。
もちろんこれらは、生産性の向上に寄与することは当然ですが、大変優れた専門家をいつも自分専任でそばにいてもらい、アドバイスを得ながら仕事をするようなもので、仕事の質の向上にも役立ちます。
イノベーションを加速する
イノベーションの本質は、「これまでにない新しい組合せを見つけ、新たな価値を創出すること」です。生成AIはその新しい組合せの選択肢をどんどんと生みだし、提示してくれます。
例えば、ChatGPTに、マーケティングの専門家A、機械工学の専門家B、業界に詳しい成績優秀な営業Cを設定し、彼らと徹底してブレーンストーミングすることで、新たな組合せの選択肢を出し合い議論することができます。
新薬を創るために、膨大な化学物質の組合せの中から、目標とする薬効が期待できる選択肢を絞りこむために、AIはこれまでも貢献してきました。これに生成AIを組み合わせることで、対話的に選択肢を絞りこみ、シミュレーションを行うことで、この作業の効率を高めることも可能になるでしょう。
DXの実践は、変化に俊敏に対処する能力を獲得することであり、イノベーションを加速して競争力を高めることです。もちろん、生成AIだけでこれらができるわけではありません。生成AIのような新しい技術を当たり前に使いこなし、現場へ権限を大幅に委譲し、短期での試行錯誤許容できる企業の文化や風土が、前提になるとこは言うまでもありません。
DXの実践とは、このようなデジタルと人間の新しい役割のあり方を創り出す取り組みでもあるのです。