DXという社会の空気に押され、この空気に逆らえないでいる企業が多いように見えます。このような状況の中で、「人事DX、経理DX、生産DX」などの「なんちゃらDX」を掲げたITベンダーの広告を見る機会が増えました。
ユーザー企業にしてみれば、それを採用すれば、取りあえずは自分たちもDXに取り組んでいることになり、経営層にアピールできます。そんな両者の利害の一致が、このようなビジネスを成り立たせているように思います。
「DX」という言葉には、歴史的背景があります。「デジタル化」や「コンピュータ化」、「IT化」とは異なる概念です。ここでは詳細には触れませんが、「デジタル前提の社会適応するために、ビジネス・モデルや仕事のやり方、企業の文化や風土を変革しよう。会社を作り変えよう。」ということです。デジタル技術は、そのための手段であって、それを使うことが目的ではありません。ましてやパッケージやクラウド・サービスを導入することでもありません。
この辺りの詳しいことについては、こちらをご覧下さい。
【参考】DXの定義:背景と解釈の変遷から何をすべきかを考える
そんな残念な現実を如実に物語っているのが、この「なんちゃらDX」でしょう。あるいは、「DX化する」、「DXを導入する」、「DXを採用する」といった表現ではないでしょうか。DXの本質を理解していれば、このような表現を使うことは、はばかられるはずです。
既存の業務のやり方をそのままに、アナログからデジタルに置き換えても、それは、DXではありません。もちろん、このような取り組みは、コスト削減や生産性向上に貢献するわけですから、大いに価値のあることです。しかし、それであれば、「デジタル化」や「コンピュータ化」、「IT化」でいいわけで、あえてDXという言葉を使う必要はありません。それでもDXという言葉にこだわるのは、時代の空気に合わせているだけのことで、格好よく見せるための化粧まわしでしかないように思います。
ITベンダーは、DXという言葉で、お客様を正しい方向に導いているのでしょうか。ITを生業にするのなら、DXの本質にしっかりと向きあい、この言葉を正しく使うことが、プロとしての矜持であると心得るべきではないかと思うのです。
DX疲れにうんざりしている。Web3の胡散臭さが鼻につく。
このような方もいらっしゃるかもしれませんね。では、伺いたいのですが、次の3つの問いに、あなたならどのように答えますか。
- DXとはこれまでのIT化/コンピューター化/デジタル化と何が違うのでしょうか。
- デジタル化やDXに使われる「デジタル」とは、ビジネスにとって、どのような役割を果たし、いかなる価値を生みだすのでしょうか。
- Web3の金融サービス(DeFi)で取引される金額はおよそ10兆円、国家が通貨として発行していないデジタル通貨は500兆円にも達し、日本のGDPと同じくらいの規模にまで膨らんでいます。なぜ、このような急激な変化が起きているのでしょうか。
言葉の背景にある現実や本質、ビジネスとの関係を理解しないままに、言葉だけで議論しようとするから、うんざりしたり、胡散臭く感じたりするのかもしれせん。
ITに関わり、ビジネスに活かしていこうというのなら、このようなことでは、困ってしまいます。
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