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「なんちゃらDX」が喧伝される残念

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DXという社会の空気に押され、この空気に逆らえないでいる企業が多いように見えます。このような状況の中で、「人事DX、経理DX、生産DX」などの「なんちゃらDX」を掲げたITベンダーの広告を見る機会が増えました。

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ユーザー企業にしてみれば、それを採用すれば、取りあえずは自分たちもDXに取り組んでいることになり、経営層にアピールできます。そんな両者の利害の一致が、このようなビジネスを成り立たせているように思います。

DX」という言葉には、歴史的背景があります。「デジタル化」や「コンピュータ化」、「IT化」とは異なる概念です。ここでは詳細には触れませんが、「デジタル前提の社会適応するために、ビジネス・モデルや仕事のやり方、企業の文化や風土を変革しよう。会社を作り変えよう。」ということです。デジタル技術は、そのための手段であって、それを使うことが目的ではありません。ましてやパッケージやクラウド・サービスを導入することでもありません。

この辺りの詳しいことについては、こちらをご覧下さい。

【参考】DXの定義:背景と解釈の変遷から何をすべきかを考える

そんな残念な現実を如実に物語っているのが、この「なんちゃらDX」でしょう。あるいは、「DX化する」、「DXを導入する」、「DXを採用する」といった表現ではないでしょうか。DXの本質を理解していれば、このような表現を使うことは、はばかられるはずです。

既存の業務のやり方をそのままに、アナログからデジタルに置き換えても、それは、DXではありません。もちろん、このような取り組みは、コスト削減や生産性向上に貢献するわけですから、大いに価値のあることです。しかし、それであれば、「デジタル化」や「コンピュータ化」、「IT化」でいいわけで、あえてDXという言葉を使う必要はありません。それでもDXという言葉にこだわるのは、時代の空気に合わせているだけのことで、格好よく見せるための化粧まわしでしかないように思います。

ITベンダーは、DXという言葉で、お客様を正しい方向に導いているのでしょうか。ITを生業にするのなら、DXの本質にしっかりと向きあい、この言葉を正しく使うことが、プロとしての矜持であると心得るべきではないかと思うのです。

【募集中】ITソリューション塾・第42期/2023年2月16日〜

DX疲れにうんざりしている。Web3の胡散臭さが鼻につく。

このような方もいらっしゃるかもしれませんね。では、伺いたいのですが、次の3つの問いに、あなたならどのように答えますか。

  • DXとはこれまでのIT化/コンピューター化/デジタル化と何が違うのでしょうか。
  • デジタル化やDXに使われる「デジタル」とは、ビジネスにとって、どのような役割を果たし、いかなる価値を生みだすのでしょうか。
  • Web3の金融サービス(DeFi)で取引される金額はおよそ10兆円、国家が通貨として発行していないデジタル通貨は500兆円にも達し、日本のGDPと同じくらいの規模にまで膨らんでいます。なぜ、このような急激な変化が起きているのでしょうか。

言葉の背景にある現実や本質、ビジネスとの関係を理解しないままに、言葉だけで議論しようとするから、うんざりしたり、胡散臭く感じたりするのかもしれせん。

ITに関わり、ビジネスに活かしていこうというのなら、このようなことでは、困ってしまいます。

ITソリューション塾は、ITの最新トレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、その背景や本質、ビジネスとの関係をわかりやすく解説し、どのように実践につなげればいいのかを考えます。

  • SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
  • IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
  • デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん

そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

  • 期間:2023年2月16日(木)〜最終回4月26日(水) 全10回+特別補講
  • 時間:毎週(原則水曜日) 18:30-20:30 の2時間
  • 方法:オンライン(Zoom)
  • 費用:90,000円(税込み 99,000円)
  • 内容:
  1. デジタル・トランスフォーメーションの本質と「共創」戦略
  2. ソフトウェア化するインフラとクラウド・コンピューティング
  3. DXの基盤となるIoT(モノのインターネット)と5G
  4. データを価値に変えるAI(人工知能)とデータサイエンス
  5. おさえておきたい注目のテクノロジー
  6. 加速するビジネス・スピードに対処する開発と運用
  7. デジタル・サービス提供の実践
  8. クラウド/DevOps戦略の実践
  9. 経営のためのセキュリティの基礎と本質
  10. 総括・これからのITビジネス戦略
  11. 特別補講 *選任中*

詳しくは、こちらをご覧下さい。

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 改装新訂4版

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2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1

目次

  • 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
  • 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
  • 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
  • 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
  • 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
  • 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
  • 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
  • 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
  • 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
  • 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー
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