【図解】コレ1枚でわかる量子コンピューター/量子コンピューターが必要とされる理由
「数」とは抽象的な概念であり、そのままで計算するのは簡単ではありません。そこで、この「数」を「ものを動かす」という物理現象に当てはめて計算しようという知恵が生まれました。例えば、カゴいっぱいの魚を均等に分けるとき、魚を5人の前に順番に置いてゆけば、割り算になります。さらに、石ころを魚に対応付ければ、同様の計算ができます。しかし、どこにでも適当な石ころがあるとは限りません。そこで、算盤のような持ち運べる道具が発明されました。
しかし、「ものを動かす」物理現象では、大規模で複雑な計算はできません。そこで、歯車を使って計算する道具が登場します。その歯車を手やゼンマイ、蒸気機関を使って回す道具も登場しています。その歯車の歯の数の違いを巧みに組み合わせ、切り替えながら、複雑で大規模な計算ができる道具が考案されました。そんな歴史は、機械式時計として、いまにも受け継がれています。
ただ、さらに大規模で複雑な計算を高速でおこなおうとすると、歯車では実現が難しくなります。そこで、「電磁気」の物理現象、つまりスイッチのオンとオフの組合せを使って計算する道具が登場します。
現在使われているコンピューターは、この「電磁気」という物理現象を使っていますが、いまここに大きな2つの課題が突きつけられています。
ひとつは、データ量と計算需要の爆発的増大です。例えば、IoTの普及により膨大なデータが生みだされ、それを機械学習で分析しようという用途は、その典型です。
ふたつ目は、「ムーアの法則」が限界を迎え、コンピューター性能を高めることが困難になっていることです。「ムーアの法則」とは、「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増し、処理能力が倍になってもさらに小型化が進む」という経験則です。この法則は半導体の微細加工技術の発展を根拠としているため、微細化が原子レベルにまで到達すると通用せず、それが現実になろうとしています。
「計算需要の爆発的増大」と「ムーアの法則の限界」という2つの課題を同時に解決する手段として、注目されているのが「量子コンピューター」です。量子コンピューターは、「量子」という微細な世界で起こる物理現象を利用して計算をおこなうもので、計算の種類にもよりますが、「電磁気」の物理現象を使っているいまのコンピューターの数億倍〜数兆倍の計算能力も期待されています。
次期・ITソリューション塾・第41期(2022年10月5日 開講)の募集を始めました。
DX疲れにうんざりしている。Web3の胡散臭さが鼻につく。
このような方も多いかも知れません。では、DXとはこれまでのデジタル化と何が違うのかと問われて、それを説明できるでしょうか。Web3の金融サービス(DeFi)で取引される金額はおよそ10兆円、国家が通貨として発行していないデジタル通貨は500兆円にも達し、日本のGDPと同じくらいの規模にまで膨らんでいることをご存知でしょうか。
言葉の背景や本質、ビジネスとの関係を理解しないままに、言葉だけで議論しようとするから、うんざりしたり、胡散臭く感じたりするのではないですか。
ITがもたらす社会の動き、ビジネスの変化、それらとテクノロジーの関係を繋げて理解することが大切です。
ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITとビジネスの関係やテクノロジーの本質をわかりやすく解説し、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけを提供します。
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
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そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。
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- 日程 :初回2022年10月5日(水)~最終回12月14日(水) 毎週18:30~20:30
- 回数 :全10回+特別補講
- 定員 :120名
- 会場 :オンライン(ライブと録画)
- 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000)
- 全期間の参加費と資料・教材を含む