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【図解】コレ1枚でわかるエンベデッド・ファイナンス

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「エンベデッド・ファイナンス(Embedded Finance:埋め込み型金融)」とは、金融業以外のサービスに金融サービスを組み込むことで、「Modular Finance(部品型金融)」とも呼ばれています。

銀行は、自分たちの提供する金融サービスをインターネット経由で利用できる「オンライン・バンキング」に取り組んで来ました。これは、インターネット上に開設した「自分たちの看板を掲げたオンライン店舗」です。これに加えて、前回説明した、預金残高の照会、支払いや送金などの更新ができる「銀行API」を提供し、他のサービスから銀行の金融機能を直接利用できるようにしました。各銀行のAPIをひとまとめにして、クラウドで提供する「Banking as a Service (BaaS)」も登場し、「ネオバンク」とも呼ばれています。この発展形として登場したのが、「エンベデッド・ファイナンス」です。例えば、オンライン・ショッピングの機能を提供する「Shopify」は、自社サービス内で銀行口座を開設でき、入金や支払いといった資金管理をできるようにしました。一般的に銀行口座は、出店者が予め用意して登録するのですが、それをサービス内で、できるようにしたのです。

これは、Shopifyが自ら金融業を始めたのではなく、既存の銀行が提供する機能を自社サービスに組み組むことで実現しています。他にも、自社サービス内の出店者が、専用口座を開設し、売上金の入金、経費支払、送金などをできるようにしています。我が国でも、「住信SBIネット銀行」は、「日本航空」と合弁会社を設立し、多通貨プリペイドカードを発行し、外貨預金もできるようにしました。他にも、オンラインで買物をした際に、AIで与信を自動で審査し、ローンを提案するサービスなどが登場しようとしています。

エンベデッド・ファイナンスは、「プロバイダー/金融機能を提供する金融機関」、「ブランド/自社サービスに組み込む事業者」、「イネーブラー/プロバイダーとブランドのやりとりを技術的に仲介する企業」という3つの事業者が、それぞれに役割を果たすことで実現されます。

APIの発展系とも言えるこのような「組み込み型サービス」は、「作らないでITサービスを実現する手段」として、他業界にも拡がる可能性がありそうです。

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