【図解】コレ1枚でわかるクラウドのビジネス・モデル
クラウド・コンピューティングは「システム資源の共同購買」と「サービス化」の仕組みを組合せたビジネス・モデルです。
システム資源の共同購買
システムを利用する複数の企業が、共同でまとめ買いしているのと同じです。これにより、調達コストを下げ、設備や運用管理のコストを低減しています。
さらに独自の設計で、機材の徹底した標準化をすすめ、同じ仕様の機材を大量生産、大量購買することで低コストでの調達を実現し、それら全体を一括で、さらには自動化を徹底することで運用管理負担の低減を図っています。
例えば、AWSの場合、数百万台のサーバーを保有していると言われていますが、サーバー資産を3年で償却すること、故障や老朽化に伴う入れ替えや追加増設を考えると年間百万台を越えるサーバーを購入していると考えらます。世界におけるサーバーの年間出荷台数が1千万台程度であることから考えると、その多さは驚異的です。
当然、市販品を購入するのではなく自社仕様の専用機材を調達しますから量産効果も期待でき、低コストでの調達が可能になります。また膨大な数のユーザー企業がサービスを共同利用することになるので、負荷の分散や平準化が図られ、個別に機材を調達することに比べてムダがないことも、低コスト化に貢献していると考えられます。
サービス化
物理的な作業を伴わずソフトウェア設定だけでシステム資源の調達や構成変更を実現する仕組みです。インフラのところで紹介した、SDI(Software Defined Infrastructure)が、その土台となっています。
この2つの仕組みによりシステム資源の低コストでの調達、変更への俊敏性、需要の変動に即応できるスケーラビリティ(システム規模の伸縮性)を実現し、さらに従量課金により使った分だけの支払いとなることから、システム資源調達の際の初期投資リスクを回避できます。ユーザーは無理なく容易に必要な規模のコンピュータ資源を利用できます。
そんなクラウドの利便性が、ユーザーを拡大しています。