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【図解】コレ1枚でわかるハイブリッド・クラウド

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NISTの「クラウド・コンピューティングの定義」には、「ハイブリッド・クラウド」について、次の記載があります。

「実態は異なるインフラであっても、あたかもそれらがひとつのインフラであるかのように、データとアプリケーションの両者を跨いで容易に行き来できる仕組み」

つまり、「プライベートとパブリックをシームレスなひとつのクラウド・システム」として扱おうという考え方です。

企業が所有するプライベートは、どうしても物理的規模や能力に制約があります。そこで、パブリックと組み合わせて一元管理し、あたかも自社専用のひとつのシステムのように使えるのであれば、実質的には制約を気にすることのない使い方ができます。このような仕組みが、本来の定義に従った使い方です。

この定義とは別に、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドそれぞれの得意不得意を補完し合いながら両者を組み合わせる使い方をこのように呼ぶことも、少なくありません。例えば、次のような使い方です。

  • 企業の独自性が乏しい電子メールはパブリックのSaaSを利用し、セキュリティを厳しく管理しなければならない人事情報はプライベートでおこない、その情報を使ってSaaSの個人認証を行う。
  • モバイル端末を使い経費精算はパブリックのSaaSを使い、そのデータをプライベートで会計処理し、振込手続きを行う。
  • 通常業務はプライベートを使用し、バックアップや災害時の代替システムをパブリックに置いておき、災害時に切り替えて使用する。

ただ、「パブリック・クラウドは自分たちの所有ではないので、ガバナンスやセキュリティが心配」だからという理由で、両者を使い分けるのは、考え直すべきかも知れません。例えば、我が国では、政府省庁や政府機関、銀行や保険会社などの金融機関、米国では、CIA(中央情報局)や国防総省などの高度な機密性や可用性が求められる組織でも、パブリック・ラウドの利用が拡大しているからです。

後日解説する「遅延時間」と「大量データ」の問題を除けば、パブリックについての懸念は、なくなりつつあると言えるでしょう。

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