【図解】コレ1枚でわかる多様化するクラウドのサービス区分
2009年に発表されたNISTのクラウドの定義では、サービス・モデルはSaaS、PaaS、IaaSに区分されています。その大枠の考え方はいまも使われ続けていますが、テクノロジーの発展とクラウドの普及とともに、この区分が、厳密にはそのまま適用できなくなってきていることも確かです。
例えば、IaaSでは、当初「仮想サーバー」を提供するサービスと位置つけられていましたが、昨今では、「物理サーバー」を提供する「ベアメタル」というサービスも登場しています。「ベアメタル」とは、「地金」という意味で、OSやソフトウェアなどがインストールされていないまっさらな物理サーバーを意味する言葉です。
本来IaaSは、仮想化により、低コストかつスケーラビリティのメリットを享受できるものでしたが、一方で、入出力の処理性能に劣るという特徴がありました。これを解決しようというのがベアメタルです。
たとえば、Webからのアクセスを処理するフロントエンドのWebサーバーは拡張性の高い仮想サーバーを使用し、入出力の処理性能が求められるバックエンドのデータベース・サーバーは、ベアメタルの物理サーバーを使うといった組合せで使うといった用途です。
また、「コンテナ管理」の機能を提供し、その管理や運用をクラウド事業者が行う「CaaS(Container as a Service)」や、コンテナで作られたアプリケーションの機能部品(サービス)を連携させ、その実行を管理してくれる「FaaS(Function as a Service)」も登場しています。
FaaSは、アプリケーションの実行に必要なサーバのセットアップと管理を気にせず開発・実行できる「サーバーレス」という使い方を提供するサービスです。必要なサーバーなどインフラの構築や運用はクラウド事業者に任せ、ユーザは、アプリケーション開発に人や時間を傾けられるようになります。
このような区分は必ずしも「標準」ではありません。ただ、クラウド・サービスは、様々なユーザーのニーズを取り込みながら、これからもサービスの多様化が図られ、それに合わせて「〜as a Service」の種類も増えてゆくでしょう。