【図解】コレ1枚でわかるクラウドの定義
「クラウド・コンピューティング」という言葉は、2006年、当時GoogleのCEOを努めていたエリック・シュミットの以下のスピーチがきっかけでした。
「データもプログラムも、サーバー群の上に置いておこう。そういったものは、どこか "雲(クラウド)"の中にあればいい。必要なのはブラウザーとインターネットへのアクセス。パソコン、マック、携帯電話、ブラックベリー(スマートフォン)、とにかく手元にあるどんな端末からでも使える。データもデータ処理も、その他あれやこれやもみんなサーバーに、だ。」
新しい言葉が大好きなIT業界は、時代の変化や自分達の先進性を喧伝し自社の製品やサービスを売り込むためのキャッチコピーとして、この言葉を盛んに使うようになりました。そのため各社各様の定義が生まれ、市場に様々な誤解や混乱を生みだしてしまったのです。
こんな混乱に終止符を打つきっかけになったのが、米国の国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology : NIST)が2009年に発表した「クラウドの定義」です。この定義は特定の技術や規格を意味するものではなく、考え方の枠組みとして捉えておくといいでしょう。ここには、次のような記述があります。
「クラウド・コンピューティングとは、ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービスなどの構成可能なコンピューティングリソースの共用プールに対して、便利かつオンデマンドにアクセスでき、最小の管理労力またはサービスプロバイダ間の相互動作によって迅速に提供され利用できるという、モデルのひとつである」
さらに様々なクラウドの利用形態を「サービス・モデル(Service Model)」と「配置モデル(Deployment Model)」に分類、またクラウドに備わっていなくてはならない「5つの必須の特徴」をあげています。
この定義が唯一のものではなく、クラウドの普及や新たなテクノロジーの登場とともに新たな解釈も生まれています。しかし、クラウド・コンピューティングの基本的枠組みとして、いまも広く使われており、ここで提案された整理の枠組みを理解しておくといいでしょう。