神社の杜のワーキング・プレイス 8KUMO ここで自律を体験して欲しい
「人間の本性は善である」
オランダの哲学者 ルトガー・ブレグマンの著書、「Humankind 〜希望の歴史〜」は、歴史的、科学的事実に基づいて、この真実を語っている。
私は、この本を読んで、アジャイル開発の前提となる「自律したチーム」の本質を見つけたような気がする。
いまのシステム開発の現場では、QCDの管理は、開発者とは別の第三者が行うことが常識とされている。しかし、アジャイル開発の現場では、開発の当事者であるチームが、その一切に責任を負う。本当にそんなことができるのかと、言う人たちもいるが、"正しい"アジャイル開発チームは、旧来のやり方に比べて、圧倒的に小規模な人員で、高品質かつ短納期を実現する。
その前提にあるのが、メンバーに対する信頼と自律への信任だ。まさに、ブレグマンのいう「人間の本性は善である」とおなじ考え方ではないのか。
来春のオープンを目指して準備を進めている「神社の杜のワーキング・プレイス 8KUMO」も、この考え方を基本に据えたいと思っている。
8KUMO(やくも)は、八ヶ岳南麓の森の中にあり、その森全体のどこからでもネットワークにアクセスでき、電源や潤沢なオフィス機器でストレスなく働くことができる場所を目指している。
以下のような必要な機材や消耗品は、一切の追加料金無しに使ってもらうつもりだ。
基本設備: WiFi 電源 トイレ シャワー サウナ キッチン カフェスペース オンライン会議スペース
オフィス機器:ディスプレイ プロジェクター プリンター コピー機 モバイルバッテリー 電源アダプター各種ケーブル デスク 文房具
アウトドア用具:キャンプ用品 薪ストーブ 調理用具 薪 燃料
それを利用する人たちに課せられたルールは、「だれもが気持ちよく」だけにしようと思っている。これは、ルールと言うより、行動規範である。
だから、機材や施設の貸し出しや利用についての管理は行わない。もちろん追加費用も取らない。使う人たちの善意と自律に任せようと思っている。
「人間の本性は善である」
冒険かも知れないけれど、この考えを大切にしたい。そして、その趣旨を理解してくれる自律した個人やチームに、利用してもらえればと思っています。
利用者がここに来るのは、仕事をするためだ。それ以外の一切の煩わしさから、彼らを解放し、大自然の中で、自分の仕事を満喫して欲しい。そのためにも、この考え方を貫きたい。
ITに関わる仕事を長年してきたが、あきらかに時代の趨勢は、「組織力から個人力へ」と流れを変え始めている。「組織力で均質な労働力を育て、大量に市場に提供すること」から、「多様な才能を持つ個人の自分力を開花させ、世のため人のため、チームのために全力を尽くすべく、適材適所に人材を提供すること」へと、顧客の求める価値が変わろうとしている。
これについては、昨日のブログ「SI事業者/ITベンダーの次のシナリオはタレント・マネージメント企業を目指すこと」に詳しく書いたので、よろしければご覧頂きたい。
私は、そんな時代のこれからの働き方を8KUMOで実践したいと思っている。ただ単に、大自然の心地よい環境で仕事をするだけではなく、これからの時代の有り様を体感し、その感性を職場に持ち帰ってもらえればと願っている。そして、自分たちの会社や組織でも、それを実践し、企業や組織の文化や風土を変えるきっかけにして欲しい。
8KUMOの森は、いま一番寒い時期を迎えた。しかし、この時期でなければ味わえない、景色や空気がある。来年の今頃は、そんな8KUMOで焚き火を囲み、いろいろな人たちと語らいたい。薪ストーブで温まったテントでひとり本を読むのも良いだろう。そんな時間を楽しめる、自律した人たちとともに。
【募集開始】次期・ITソリューション塾・第39期(2022年2月9日〜)
次期・ITソリューション塾・第39期(2022年2月9日 開講)の募集を始めました。
コロナ禍は、デジタルへの世間の関心を高め、ITへの投資気運も高まっています。しかし、その一方で、ITに求められる技術は、「作る技術」から「作らない技術」へと、急速にシフトしはじめています。
この変化に対処するには、単に知識やスキルをアップデートするだけでは困難です。ITに取り組む働き方、あるいは考え方といったカルチャーを変革しなくてはなりません。DXとは、そんなカルチャーの変革なしでは進みません。
ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITに関わるカルチャーが、いまどのように変わろうとしているのか、そして、ビジネスとの関係が、どう変わるのか、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけになるはずです。
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
- IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん
そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
- 日程 :初回2022年2月9日(水)~最終回4月27日(水) 毎週18:30~20:30
- 回数 :全10回+特別補講
- 定員 :120名
- 会場 :オンライン(ライブと録画)
- 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000)
- 全期間の参加費と資料・教材を含む
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー
【12月度のコンテンツを更新しました】
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目的の資料にいち早くアクセスできるよう、以下の二点を変更しました。
・タイトルと資料の構成を大幅に変更しました
・研修資料を作るベースとなる「最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略(総集編)」の内容改訂
ITソリューション塾について
・教材を最新版(第38期)に改訂しました
・講義の動画を新しい内容に差し替えました
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DXとビジネス戦略
【改訂】デジタル化がもたらすレイヤ構造化と抽象化 p.14
【改訂】デジタル化とDXの違い 改訂版 p.27
【改訂】DXの定義 1/3 p.39
【新規】DXの定義 2/3 p.40
【改訂】DXの定義 3/3 p.50
【改訂】DXのメカニズム p.45
【新規】「デジタル前提」とは何か p.46
【改訂】DXの公式 p.47
【新規】なぜ「内製」なのか 1/3 p.178
【新規】なぜ「内製」なのか 2/3 p.179
【新規】なぜ「内製」なのか 3/3 p.180
【新規】ITベンダーがDXを実践するとはどういうことかp.174
ITインフラとプラットフォーム
【新規】サーバー仮想化とコンテナ 1/2 p.76
【新規】サーバー仮想化とコンテナ 2/2 p.77
【新規】コンテナで期待される効果 p.78
【改訂】コンテナとハイブリッド・クラウド/マルチ・クラウド p.81
開発と運用
【新規】アジャイル開発が目指すこと p.37
【新規】SI事業者がアジャイル開発で失敗する3つの理由 p.74
IoT
【新規】Connected p.139
ビジネス戦略・その他
【新規】個人情報とプライバシーの違い p.146
【新規】「個人を特定できる情報」の範囲の拡大 p.147
【新規】Privacy保護の強化がビジネスに与える影響 p.148
【新規】影響を受けるデバイスやサービス p.149
【新規】スマホAIの必要性 p.150
AIとデータ
【新規】データサイエンティストに求められるマインドセット p.146
改訂【ITソリューション塾】最新教材ライブラリ 第38期
・ITソリューション塾の教材を最新版に改訂しました
- DXと共創
- ソフトウエア化されるインフラとクラウド
- IoT
- AI
下記コンテンツを新規に追加しました
- RPAとローコード開発
- 量子コンピュータ
- ブロックチェーン
下記につきましては、変更はありません。
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