10年の熟成をふり返る
2011年5月9日(月)18:00「緊急営業会議:3.11 後の IT ビジネスと営業の役割」と題するイベントを発起人の一人として開催した。その時にBCNさんに取り上げて頂いた記事がこちらだ。
「あまりにも被害が大きく、1か月はITに対する具体的なニーズが出てきていない状況だ。極端に言えば、『ITどころではない』という雰囲気を感じた。ただ、今後はモバイル環境の情報共有などが求められるはず」
私も、その時のことをブログに書いている。
「震災特需なんてとんでもない。いいことなんか、何もありませんでした。」
私にとっての東日本大震災との関わりは、これが起点だった。多くの人と出会い、それから被災地と深く関わることになった。
被災地を始めて訪れたのは、7月10日(日)、震災直後から被災地でボランティア活動をされているトライポッドワークスの佐々木さんにつれられて、南三陸町の避難所を回り、生活用品やパソコンを届けるお手伝いをしてきた。その時のブログが残っている。
「改めて、自分にできること、そしてITのできることを考えてみたいと思っています。」
それからの私の時間は、まさにそのようになったのかも知れない。この日の訪問をきっかけに、ほぼ毎週のように三陸沿岸を回り、この現実を感じてもらおうと、多くの人を被災地に連れて行くこともした。
ITによる被災地支援のボランティア団体の設立にも関わることができた。そして、多くの人が、その志に賛同し、集まってくれた。
自分だけではなく、誰かのために働きたい。この10年の間に出逢ったそんな想いを持つ多くの人たちとの繫がりが、いまの自分の一部となっているのだと思う。
八ヶ岳南麓でシェア・オフィスを立ち上げるとの思いも、そんな10年の熟成の結果なのだろう。コロナ禍という混沌の中から生まれようとしている、新しい時代に、自分ができること、やりたいことで、これからの時代の感性を牽引する人たちに、機会を提供できればと思っている。
今日これから、東北に向かう。改めて、そんな自分の10年を、かつての被災地に立って、ふり返ってみようと思っている。