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「お客様のDXに貢献する」とは何をすることか 2/2

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昨日のブログでは、「お客様のDXに貢献する」ために、SI事業者が取り組むべき3つのことについて解説した。今日は、その実践の戦略について、整理する。

言うまでもないが、このような取り組みは、思いつきや勢いだけで、できることはない。そこで、次の3つに分けて、取り組んではどうだろう。

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まず、既存事業については、収益の柱であり、直ちにこれがなくなることはない。ただ、510年程度の期間で見れば、売上は徐々に減少に転ずる。そこで、売上が減少に転じても高い利益を確保するための施策が必要だ。具体的には、以下の通り。

  • 標準化・効率化のためのプロセス・リ・デザイン
  • モダナイゼーション・クラウド化・自動化
  • データ・ドリブン・マネージメント など

一方で、戦略事業として、新たな成長の基盤を生みだす必要がある。既存事業で収益があげられるうちに、こちらを育ててゆかなくてはならない。具体的には、以下の通り。

  • 試行錯誤・非連続な探索
  • 投資・M&A
  • 既存事業からの分離(組織・評価・場所など)など

既存事業における高収益化も、戦略事業における成長基盤の確立も、共に従業員の自律と自発を促し、高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えなくてはならない。具体的には、以下の通り。

  • HRTHumility/謙虚、Respect/尊敬、Trust/信頼)の実践と心理的安全性の醸成
  • ジョブ型雇用への転換
  • 現場への権限委譲 など

SI事業者にとってのDXとは、このような取り組みの積み重ねにより達成する、企業の「あるべき姿」であろう。

「お客様のDXの実現に貢献する」ことは、お客様も望んでいる。ならば、自らがそれを実践し、積み上げたスキルやノウハウを、模範を通してお客様に提供することが、唯一のやり方である。言葉を弄しても、そんなものは直ぐに見透かされてしまう。DXを実践するとは、そんな覚悟が前提となる。

【完】

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【2月度のコンテンツを更新しました】
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・DXについてのプレゼンを充実しました
・AIと人間の知能に関するプレゼンを改訂しました
・IoTとテクノロジーの関係についてのプレゼンテーションを作りました
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研修パッケージ
・総集編 2021年2月版・最新の資料を反映
・新入社員研修の教材を最新版に改訂
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ビジネス戦略編
【改訂】データ活用の前提 p.47
【新規】時間感覚の変化がビジネスを変えようとしている p.75
【新規】DXとは予期できる未来と予期できない未来に対応すること p.76
【新規】DXと2つの未来に対応する方法 p.77
【新規】CXとEXを向上させるためのDX p.91
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの構造 p.91
【新規】DXとエッジ:改善から破壊と創造へ p.92
【新規】時間感覚と価値観の変化が常識の転換を難しくしている p.93
【新規】時間感覚の変化 1 p.94
【新規】時間感覚の変化 2 p.95
【新規】価値観の変化 1 p.96
【新規】価値観の変化 2 p.97
【新規】エッジを越える方法 p.98
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【改訂】AIとAGIの関係 p.75
【改訂】知能・身体・環境とAI p.76
【新規】人工知能と機械の知能 p.77
【新規】機械学習がやっていること p.89
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】サイバーフィジカルシステムとIoT p.3
【新規】IoTが生みだす2つのループ p.4
【新規】IoTが生みだす2つのループとテクノロジーの関係 p.5
ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ソフトウェア化された情報システムp.54
【新規】ソフトウェア化された情報システムとクラウド p.55
クラウド・コンピューティング編
【新規】クラウドにおける責任の所在 p.144
下記につきましては、変更はありません。
・開発と運用編
・ITの歴史と最新のトレンド編
・テクノロジー・トピックス編
・サービス&アプリケーション・基本編
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