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「優秀な営業が辞める」原因の考察

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「最近、優秀な営業が、よく辞めてしまいます。どうすればいいでしょうか。」

そんな相談を受けることがあります。事情はひとつではないでしょうが、営業組織の能力の低さが、原因になっている場合もあるようです。

個人としての営業力は、多くの能力に支えられた総合力です。しかし、例え個人としての能力を高めたとしても、組織として、彼らを活かす能力がなければ、組織としての営業力は高まりません。組織にその能力がなければ、能力のある営業は、不満を感じ、会社を去って行くのは当然の話です。

営業力とは、どのような状況にあっても「売上目標を継続的に達成し続ける力」だと考えています。この営業力を高め、維持し続けるために組織は様々な機能や役割を果たさなくてはなりません。では、どういうことが必要なのでしょうか。まず、営業活動の目的とは何かという根本に立ち返って考えてみましょう。

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営業活動の目的は、「お客様のため」、「自社のため」、「自分のため」に貢献し、それぞれの価値を高めてゆくことです。この中で、意外と蔑ろにされているのが、「自分のため」つまり、営業個人の価値、すなわち、個人の成長や満足への貢献です。

「そんなことは当たり前の話だが、それは個人の気持ちのありようであって、組織として、どうこうできることではない」というお考えもあるかもしれません。しかし、営業活動は、個人が営業という仕事にやりがいを感じ、この仕事を通じて人としての成長を望まない限り、組織はパフォーマンスを上げることはできません。

もちろん、営業組織としては、数字に責任を持っていますから、その達成が価値であることはそのとおりですが、だからこそ、営業個々人の高いモチベーションを引き出し、自発的な行動を促し、高いパフォーマンスを維持する必要があるのです。

このような高い動機付けを得るには、次の3つの根拠が必要です。

活動の目的

自分の営業活動の行動目的を理解し、達成することの価値を自覚があることです。

自分や組織の数値目標を達成するだけではなく、お客様や関わる他の人たちにも価値を提供するといった利他的なことに貢献できることも大きな動機付けになるはずです。

このような動機付けを与える上で、マネージャーの役割は大きなものがあります。例えば、お客様との打ち合わせに同席して、共にお客さまの価値を確認することや、数字だけではなく、営業がやっていることの目的を再確認させるような話題を提供するなど、営業ひとりひとりに自分がやっていることへの目的意識を持たせることが大切です。

成長の実感

「言い出しっぺは損、どうせ言っても無駄、余計なことは言わない方が無難、波風を立てないほうがいい、上司に従っていればいい」、そんな信頼できない組織にはなっていないでしょうか。こういう組織にいる営業は、仕事は無難に、そこそこにやればいいとなってしまい、仕事の難易度を下げ、成長の機会を自ら狭めてしまうでしょう。

一方で、「言えばチャンスが生まれる、言えば必ず聞いてもらえる、気がついたらとにかく話してみる、波風を立てても話をすれば相談に乗ってくれる、自分の判断を大切にしたい」、といった信頼できる組織にいる営業は、いろいろなことに果敢にチャレンジする機会を自ら生みだそうとします。

組織が信頼できれば助けを得ようとするでしょう。そうすれば、成功の機会も増え、成長の喜びを感じる機会も増えます。また、例え失敗しても、それを認めてくれる組織であれば、失敗もまた成長の糧として、前向きに受け止めることができるでしょう。

まわりの評価

「なぜ、そんなことができないんだ!」と部下に言ってはいないでしょうか。「頑張っているのに、どうしてもうまくいかない。」。そんな意識が溜まってゆきます。やってもやっても成長を実感できない自分を意識することになるでしょう。

マネージャーは、成功し、スキルもあるからいまの立場にあります。それを基準に部下を評価してしまえば、だれもがダメな連中ばかりになってしまいます。できないことを評価する減点型のマネージメントは、部下に成長の実感を与えません。

これとは反対に、以前はできなかったことができるようになったことを評価し、褒めてあげる加点型のマネージメントが、成長の実感を促すことになります。自分のレベルで相手を評価するのではなく、相手のレベルを受け入れ、その成長を評価するマネージメントを心がけるべきでしょう。

このようなことが日常行われる組織にするためには、これを支える組織体制が必要になります。以下にまとめてみましたので、よろしければ、参考にしてください。

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6e52d479f03df173851f4ef053f84225.png087f1129e526c257ec6c95ff65bb8f2f.pnga55cc4dc4c6e2e811d7549b3e5724d39.png営業力の強化は、個人力の強化だけでは達成できるものではありません。組織としての能力をどのように高めてゆくかもあわせて考え、取り組んでゆくことで、成果を上げることができるのです。

ITソリューション塾・第34期(5月15日開講)の募集を開始

第34期の概要

「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を軸に、その本質と実践、これを支えるテクノロジーを分かりやすく、体系的に整理します。また、共創や新規事業開発、事業転換など、いま向きあうべき「これからのビジネス戦略」についても、解説させて頂きます。詳細なスケジュールは、下記よりダウンロード頂けます。

もはやセキャリティにファイヤー・ウォールもVPNもパスワードも不要な時代になりました。まもなく登場する5Gにより、ネットワーク構築に関わる物理的な作業は不要となります。クラウドがシステム構築の物理的な作業を置き換え、アプリケーションの開発は、サーバーレスが普及するでしょう。人手に頼っていた多くの仕事はAIに代替され、ITと人間の役割、ビジネスのあり方が大きく変わろうとしています。

こんな時代を背景に「デジタル・トランスフォーメーション」の潮流が押し寄せています。

本塾では、そんな「いま」と「これから」をわかりやすく解説し、この変化にどう向きあうかについて、共に考えてゆこうと思います

特別講師

この塾では、実践ノウハウについても学んで頂くために、現場の実践者である下記の特別講師をお招きしています。

  • アジャイル開発とDevOpsの実践
    • 戸田孝一郎 氏/戦略スタッフ・サービス 代表取締役
  • ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティとビジネス戦略
    • 河野省二  氏/日本マイクロソフト CSO
  • 日本のIT産業のマーケティングの現状と"近"未来
    • 庭山一郎 氏/シンフォニーマーケティング 代表取締役

お願い

参加のご意向がありましたらまずはメールでお知らせください参加者の確定や手続きに時間はかかるが、参加したいという場合は、ご意向だけでもまずはメールにてお知らせください。
直ぐに定員を超えると思われますので、その場合に備えて参加枠を確保させて頂きます。その際は、予定の参加人数も合わせてお知らせください。

実施要領

  • 日程 初回2020年5月13日(水)~最終回7月22日(水)
  • 毎週 18:30~20:30
  • 回数 全10回+特別補講
  • 定員 100名
  • 会場  東京・市ヶ谷、およびオンライン(ライブと録画)
  • 料金 90,000- (税込み 99,000)

「コレ1枚」シリーズの最新版 第2版から全面改訂

新しく、分かりやすく、かっこよく作り直しました

デジタル・トランスフォーメーション、ディープラーニング、モノのサービス化、MaaS、ブロックチェーン、量子コンピュータ、サーバーレス/FaaS、アジャイル開発とDevOps、マイクロサービス、コンテナなどなど 最新のキーワードをコレ1枚で解説

144ページのパワーポイントをロイヤリティフリーで差し上げます

デジタルってなぁに、何が変わるの、どうすればいいの?そんな問いにも簡潔な説明でお答えしています。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【4月度のコンテンツを更新しました】
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・以下のプレゼンテーション・パッケージを新規公開致しました。
> 2020年度・新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス と事前課題
>デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」

・ITソリューション塾・第33期(現在開催中)のプレゼンテーションと講義動画を更新
>これからの開発と運用

新規プレゼンテーション・パッケージ ======
【新規】2020年度・新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス
【新規】上記研修の事前課題
【新規】デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」

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【改訂】総集編 2020年4月版・最新の資料を反映しました。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画
>これからの開発と運用

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ビジネス戦略編
【改訂】DXとPurpose p.21
【改訂】Purpose:不確実な社会でもぶれることのない価値の根源 p.22
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か p.29
【新規】「何を?」変革するのか p.30
【新規】「"デジタル"を駆使する」とは、何をすることか p.31
【新規】「共創」とは、何をすることか p.32
【新規】NTTとトヨタ 「スマートシティプラットフォーム」を共同構築 p.62
【新規】「両利きの経営」とDX戦略(1) P.82
【新規】「両利きの経営」とDX戦略(2) P.83
【新規】学ぶべき領域 p.272

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは p.132
【新規】サイバー・セキュリティ対策の目的 p.133
【新規】サイバーセキュリティ対策の構造 p.134

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】機械学習の仕組み p.61
【新規】モデルとは何か p.62
【新規】人工知能と機械学習の関係 p.93

下記につきましては、変更はありません。
 開発と運用編
 サービス&アプリケーション・基本編
 ITの歴史と最新のトレンド編
 テクノロジー・トピックス編
 クラウド・コンピューティング編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT

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