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DXに取り組もうというお客様に説明しなくてはならないこと

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ITあるいはデジタル・テクノロジーの積極的な活用が、事業戦略上不可避であるとの認識は、もはや広く行き渡っている。しかし、そんな自覚のある企業に話しを聞けば、ITベンダーやSI事業者に相談しても、「何をしたいか教えてもらえれば、その方法を提案します」というスタンスを崩さないという。

また、自分たちにできること、あるいは自社のサービスや製品の範疇でしかテクノロジーを語ってくれない。お客様の経営や事業に踏み込んで、何をどのように変えてゆけばいいのかを一緒に考え、広くテクノロジーのトレンドや可能性から助言を与えてくれるようなことはないという。

だから「共創」が大切だとIT企業各社は標榜する。しかし、主導権は常にお客様であり、自分たちはサポート役として助言する立場を越えようとしない。提言して、方向を示してくれることなどない。自らもリスクを共有し、お客様と一緒になって新しいビジネスを作って行くことが「共創」であるとすれば、本来の想いからはかけ離れた状況となっている。

お客様とITベンダー/SI事業者とのこのような意識のズレがあることを自覚できていないとすれば、これはかなり深刻な状況だ。

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昨今、デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation / DX)という言葉を盛んに目にする。DXとは、デジタル・テクノロジーを駆使して変化に俊敏に対応できる企業文化へ変革することを意味する。不確実性が高まる時代に企業が生き残り、事業を継続するには、変化に俊敏に対応できる圧倒的なビジネス・スピードなくして、生き残ることはできない。

合理化や生産性向上のためのシステム開発でもなければ、モバイルやインターネットを駆使した新しいデジタル・ビジネスを作ることでもない。

こんな取り組みにITを含むデジタル化投資はシフトしてゆく。ITビジネスの成長のチャンスは、ここに関わってゆけるかどうかにかかっている。

このような状況であるにもかかわらず、いまだ次のようなことをいまだ平気で言っているとすれば、大いに認識を改めるべきです。

「私たちの会社は、その分野は専門ではないのでできません。」

「それは私と担当が違いますので、あらためてそちらの担当者を同行させます。」

「うちはデータベースの構築に自信があります。そのための認定エンジニアを多数抱えています。」

DXがビジネスのあり方を根本的に変えて行こうという取り組みであるならば、ITベンダーやSI事業者は、経営や事業に関わる人たちにテクノロジーの価値とビジネスへの貢献の関係を説明できなくてはならない。例えば、IoTであれば、モノがネットワークでつながることではなく、つなげることでどのようなビジネス価値を産み出せるかを説明できなくてはならない。

自分の専門分野を狭めてしまわないことだ。事業や経営、テクノロジーの全般にわたって、広い知見を持つこと。もちろん、専門分野が不要であると言いたいわけではない。経営や事業について、そしてテクノロジーの仕組みではなく価値について、クロスオーバーに相談できる存在にならなければ、入口を作れないと言うことだ。

また、テクノロジーの実装は、専門的で高度なスキルが求められる場合がますます増えてゆく。それらを全て自分たちだけでまかなうことなど到底できない。だから、オープンに広く緩い連係を維持し、いざとなれば必要なスキルをダイナミックに結集できる人のつながりが大切になる。

お客様の事業や経営に踏み込んで、テクノロジーの価値を語る力がなければ、「共創」などという理念だけの看板は引き下げるべきだろう。

お客様はシステムを作ってもらうことをIT事業者に期待しているのではない。ビジネスの成果に貢献することを期待している。そしてIT事業者である以上、ITでの貢献を期待している。それなのに旧態依然とした知識や方法論を前提に、テクノロジーの未来を語れない相手に相談しようなんて思わないだろう。ビジネスへの貢献の物語を語れない相手に何を相談すればいいのか。

そんなお客様の期待に応えることができるだろうか。DXはいまそんな課題をITベンダーやSI事業者に突きつけている。

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