ヤバいですよ、このままじゃ!逃げちゃいけない7つのテクノロジー・トレンド
デジタル・トランスフォーメーション
AIやIoTを使って新しいビジネスを始めることではない。ビジネス・プロセスのデジタル化することだけでも難しい。デジタルを前提にビジネスモデルや組織文化を変革することだ。そのためには、自分たちもまたDXを実践し、その経験から得られたノウハウをスキル・トランスファーすること。これを「共創」という。
ゼロトラスト・ネットワーク
パスワードレス、VPN不要、ファイヤウォール不要のこれからのセキュリティの常識。FIDO2、Azure AD & Azure Sentinel、SSO(Single Sign On)などとの組合せにより、利便性を追求したセキュリティを実現。クラウド・サービス前提の時代になり、全てのトラフィックをデータセンターのファイヤウォールに集約させることの愚がITのもたらす価値や利便性を毀損する。
コンテナ
ハイブリッド・クラウドやマルチ・クラウド、さらにはIoTをまたぎ縦横無尽に浮遊するコンテナ。もはやインフラやプラットフォームの違いが決定的な差別化の要因にならない時代。そんな時代を予見してのIBMによるRedHatの買収。OpenShiftの存在感とその役割を改めて再確認。対抗する様々なサービスやOSSの登場。Google Anthos、Kubernetes、Istioなど、さらにはマイクロサービス・アーキテクチャの普及とともに開発や運用の考え方が大きな転換点を迎えている。
Amazon Outposts
AWSの環境を24インチラックに収めて提供する。アプリケーションの構築と実行のために、オンプレミスとクラウドで同じ AWS ハードウェアインフラストラクチャ、サービス、API、およびツールをフル・マネージドサービスで提供する。もちろんクラウドへの移行が進むが、レイテンシやコンプライアンスの問題でオンプレは残ると高をくくっているSI事業者にとって、そんな悠長なことは言ってはいられないだろう。MicrosoftのAzure Stack、GoogleのGKE-onpremなども同様に、クラウドが主/オンプレミスは従という前提に大きく変わりつつある中、オンプレミスもまたクラウド事業者がイニシアティブを獲ろうと攻めている。
サーバー・レス/FaaS
DXということばはまだまだバズワードに過ぎないが、そろそろ本質に気付き始めている人たちも多い。つまり、事業の差別化や競争力の源泉として、デジタルを武器にしようという動きだ。事業の武器となる以上、それは事業部門の主管でありスキルやノウハウは事業資産としての価値を持つから内製化へシフトする。そう考えると、事業の直接的な付加価値を産み出さないインフラやプラットフォームの構築や運用はクラウド事業者に任せて、自分たちはビジネス・ロジックに傾注しようと言うことになる。その手段のひとつがサーバーレス/FaaSとなる。制約もあるが、徐々に制約はなくなりつつあるし、そもそも事業部門が取り組むデジタルだから、既存の移行ではなく新しいアプリケーション開発になるので、制約を前提に作ればいい。あまり大きな問題ではない。AIやIoT、ブロックチェーンなどの事業戦略に直結するシステム開発はこの前提ですすめられてゆく。
RPA
銀行や役所のように業務プロセスが徹底して形式化され、マニュアル化されている場合、しかも定期×単純×大量×反復に於いては、RPAは劇的な効果を上げている。しかし、そもそも何のためにこの業務プロセスがあるのかはっきりしないままに、あるいはかつては意味があったがいまは形式だけが習慣としてのこっているような業務であり、しかも属人化してしまっている業務をRPAに置き換えることは業務プロセスのブラックボックス化を助長し、改善や改革の妨げになる。RPAをDX推進ツールだなどと言っているところもあるが、まったくもっておかしな話しだ。まずは業務プロセスの廃棄や再定義、標準化をすすめた先の選択肢のひとつとしてRPAはあるにしても、RPAがトランスフォーメーション=変革を生みだしてくれるわけではないことを心得ておくべきだろう。
ERP
ERPは「業務を標準化するツール」という誤解がまかり通っている。確かに業務の標準化には貢献するが、本質は「リアルタイム経営の実現」にある。この本質に立ち返れば、社内のあらゆるデータ、すなわち社内外の業務データやIoTのデータもまたリアルタイム経営のための経営資源であって、その受け皿となる統合データベースとそのデータを活用するプラットフォームという位置づけでERPを捉えるべきである。2025年問題をネガティブに大騒ぎするのではなく、データ駆動型かつリアルタイム経営への変革の機会としてERPの再構築を捉えるのがスジではないのか。
5G
5Gがもたらす変化は、システムの構築や運用などのテクニカルな変化にとどまらない。なぜならビジネスのあり方、働き方、組織のあり方を大きく変えてしまうからだ。つまり、これまでの収益源が変わるという単純な話しではなく、顧客が求める価値や従業員が働くことに求める価値が大きく変わってしまうということであり、そこまで踏み込んで、ビジネスのあり方を見直さなければならないということになる。また、ITベンダーにとっては破壊的なテクノロジーでもある。高速×低遅延×大容量の5Gが普及すれば、ネットワーク構築に関わる物理的な作業は不要となる。加えて、クラウドがシステム構築の物理的な作業を置き換え、アプリケーションの開発は、サーバーレスが前提となる。その時、物販や工数で収益を上げていた企業はどうやって糊口をしのげばいいのか。いまから真剣に考えておくべきだろう。
AIやIoT、アジャイル開発やDevOpsも大切なテクノロジートレンドであるが、もはや「前提」であって、いまさら感もあるのでこの投稿からは外すことにした。上記のキーワードはまさにこの「前提」とともに展開されてゆく。
もっと詳しく学びたい。そういう方は、こちらにご参加下さい↓↓↓
みなさん、今年もご覧頂きありがとうございました。また、来年も引き続き宜しくお願い致します。
【募集開始】第33期 ITソリューション塾
遠隔地からもオンラインでご参加いただけます。
ITソリューション塾・第33期(2月4日開講)の募集を開始しました。
既に多くの方からお申し込みをいただいております。
次の特別講師にもご登壇頂きます。
・デジタル・トランスフォーメーションと次世代ERP・SAP Japan 社長 福田譲 氏
・ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティとビジネス戦略・日本マイクロソフト CSO 河野省二 氏
・アジャイル開発とDevOpsの実践・戦略スタッフ・サービス・代表取締役 戸田孝一郎 氏
デジタル・トランスフォーメーションを軸に、AIやIoT、クラウドやインフラ、これからのビジネス戦略について、体系的かつ網羅的に整理してゆきます。
特にDXについては、事業戦略や実践と絡めながら丁寧に話をして行こうと考えています。
ぜひ、ご参加下さい。
- 日程 初回2020年2月4日(火)〜最終回4月18日(水)
- 毎週18:30〜20:30
- 回数 全10回+特別補講
- 定員 80名
- 会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
- 料金 ¥90,000- (税込み¥99,000)全期間の参加費と資料・教材を含む参加登録された方はオンラインでも受講頂けます。出張中、あるいは打ち合わせが長引いて間に合わないなどの場合でも大丈夫。PCやスマホからライブ動画でご参加頂けます。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー
【12月度のコンテンツを更新しました】
・総集編の構成を1日研修教材としてそのまま使えるように再構成しました。
・最新・ITソリューション塾・第32期の講義資料と講義の動画(共に一部)を公開しました。
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総集編
【改訂】総集編 2019年12月版・最新の資料を反映しました。
*1日研修で使える程度に、内容を絞り込みました。
パッケージ編
ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
動画セミナー・ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
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ビジネス戦略編
【新規】変革とは何をすることか p.4
【新規】イノベーションとインベンションの違い p.8
【改訂】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.37
【新規】経済政策不確実性指数(EPU)p.38
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.41
【新規】ハイパーコンペティションに対処する適応力 p.42
【新規】価値の重心がシフトする情報システム p.54
【新規】複雑性を排除してイノベーションを加速する p.55
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoT実践の3つの課題 p.74
ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク 境界型セキュリティの限界 p.110
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク セキュリティと生産性の両立 p.111
開発と運用編
【改訂】改善の4原則:ECRS p.5
【新規】ITの役割の歴史的変遷 p.8
【新規】アジャイル開発:システム構築からサービスの提供(体制変化) p.11
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 1/2 p.60
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 2/2 p.61
【改訂】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.63
【新規】モビリティの高いコンテナ p.65
【新規】モノリシックとマイクロ・サービス p.71
テクノロジー・トピックス編
【新規】急増するAI専用プロセッサ p.62
下記につきましては、変更はありません。
・クラウド・コンピューティング編
・サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
・サービス&アプリケーション・基本編
・ITの歴史と最新のトレンド編