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【図解】コレ一枚でわかる産業発展の歴史と人工知能の位置付け

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■家内制手工業

18世紀半ばに始まる産業革命以前は、人手による「家内制手工業」の時代でした。もの作りは職人が担い、ひとりが最初から最後まで一貫してこなすやり方が一般的でした。親方が束ねる工房での分業も行われましたが、限られた地域経済圏での基本的な需要を充足することが目的であり、また通信網や流通システムがいまほど発達していない時代ですから、需要の変動は一定の範囲で、効率の向上は必ずしも重要なものではなかったのです。

■大量生産(産業革命)

1779年にイギリスの発明家サミュエル・クロンプトンが新しい紡績機を発明しました。ミュール紡績機といわれるこの機械は、天然繊維を撚って連続的に糸にする装置です。その後、1830年にリチャード・ロバーツがこれに蒸気機関を組合せ、さらに作業を自動化することに成功しました。

この発明により、当初は手動でひとりの労働者が同時にできる作業が264~288錘の巻き取りに留まっていたものを、成年ひとりと2~3人の少年の補助で、同時に1600錘を巻き取ることができるまでに生産性を飛躍的に向上させたのです。これは手動ミュール紡績機が運転調整に熟練を要したのに対し、自動ミュール紡績機は糸継ぎと装置トラブルの監視だけをすればよくなったためです。

自動ミュール紡績機は広く普及し、紡績の仕事には特定の仕事をこなす単純労働者が増えてゆくことになり、労働のあり方を大きく変えてしましました。

紡績産業以外にも、蒸気機関と自動化への取り組みはすすみ、労働の分業と専門化はさらに広がってゆきます。また通信網や流通システムの発達と相まって、大量生産の需要が高まり、効率化の追求がもの作りの目的として重視されるようになっていったのです。

■科学的管理法

20世紀初頭、米国の技術者であり経済学者であるフレデリック・ウインスロー・テイラーが「科学的管理手法」を提言します。「科学的管理手法」とは、仕事を作業要素、すなわち「プロセス」に分解し、作業動作の無駄や改善点を見つけ出そうという取り組みです。そして、効率の良いプロセスを標準化し、それをマニュアルにして作業現場に徹底させることで、経験の浅い作業員でも一定の効率と品質を維持できるというものでした。

その後、これを徹底させる手段としてコンピューターが使われるようになりました。つまり、標準化されたプロセスをコンピューター・プログラムに置き換えることで、誰もが間違えることなく、効率よく仕事を進められるようにしたわけです。経理や人事、受注、調達、生産、販売など、様々な業務プロセスがプログラムに置き換えられてきました。一旦、プログラムに置き換えられると、融通を利かせることはできません。それを逆に利用して、標準化された業務プロセスを業務の現場に徹底させ、コストの削減や品質の安定、作業時間の短縮を実現しようというわけです。

これにより効率向上は加速されました。ドラッカーによれば、テイラー以降、肉体労働の生産性は平均して年率3.5%の割合で伸び、20世紀の終わりには50倍に向上したとしています(「明日を支配するもの」ドラッカーより)。

■人間の知的能力の拡張

肉体的労働における効率向上は、ほぼ限界に達しました。そんな中で、効率向上に取り残されてきたのが「知的労働者(ナレッジワーカー)」です。

マニュアル通りにはいかない営業職や弁護士、医師や看護師などは、常に変化する状況を読み解きながら、その時々の最適解を求められる仕事です。そのためには、経験を重ね、広く知識を蓄積し、継続的に学習しなければなりません。その努力によって、個々の事象に対する個別最適解を見つけ出すことができるのです。作業をプロセスに分解し改善するにも容易なことではありません。

ここに登場するのが人工知能です。20世紀後半から急速に進んだコンピューター利用の結果、世の中のあらゆる出来事がデータ化されるようになりました。そのデータを機械学習に投入し、様々な出来事の相互関係や構造、規則性を見つけ出してくれます。この能力を使って人間の知的能力を拡張することができます。これによって、知的労働者の生産性を高め、最適化を一層推し進めようというわけです。

IoTやクラウドの普及により、世の中の様々な出来事が、これまでにも増して緻密に、そしてリアルタイムにデータ化されつつあります。人工知能は、この膨大なデータを支えにその能力を高め、役割を拡げてゆこうとしています。

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