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【図解】コレ一枚でわかるMaaS(Mobility as a Service)

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2018年1月、トヨタは、ラスベガスで開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2018」で、独自のMaaS(Mobility as a Service)である「e-Palette Concept」を発表した。移動する手段である自動車を売るのではなく、移動そのものを売ろうというわけだ。そして、自らを自動車はメーカーから「モビリティ・カンパニー」へ転換する旨を宣言した。

「100年に一度の変革期」と言われるほどに、いま自動車業界は大きな変化の節目に立たされている。それは、CASEの波が押し寄せているからだ。CASEとは、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)を意味する言葉だ。人と車が、あるいは車同士が、さらには信号機や道路上に設置されたセンサーが繋がり、お互いの情報を共有し、周囲の状況に合わせた自動運転が実現しようとしている。そんな車がインターネットにつながれば、それぞれの稼働状況をリアルタイムで共有することができる。ならば空いている時間をお互いに融通し合えば、いまほど沢山の車はいらず、移動手段として車をスマートフォンから呼び出せば、直ぐにでも迎えに来てくれる。さらに給油は充電へと変わり人手を介する必要がなくなれば、ますます移動をサービスとして提供するコストも下がり、管理も容易になる。つまり車が売れない時代を迎えつつあるのだ。

「移動」はなにも車だけで実現している訳ではない。バスや鉄道などの公共交通機関、さらには、自転車のシェア・サービスなども移動の手段も加わりつつある。MaaSは、これらあらゆる交通手段を統合し、「移動」者にとっての最適な手段の組合せを提供しよういうサービスだ。それは単にスマートフォンで最適な手段の組合せをルート検索するだけではない。手配や予約、支払いも含め、さらには月額定額(サブスクリプション)を支払えば、乗り放題のサービスも提供される。そんな移動体験を総合的に提供するプラットフォーム・サービスがMaaSということになる。

MaaSの先駆的取り組みのひとつがフィンランドのヘルシンキに本社を置くMaaS Global社のサブスクリプション型サービス「Whim(ウィム)」だ。このサービスは、地元ヘルシンキのほか、ベルギーのアントワープ、イギリスのウエストミッドランドで正式にサービスを展開している。Whimの会員数は、MaaS Global本社があるヘルシンキでは、18年9月現在6万人で、ヘルシンキの人口63万人の約1割がWhimユーザーとなっている。Whimアプリ経由のヘルシンキでの移動回数は、18年9月時点で150万回、利用者が選択する交通手段の割合は90%が公共交通で、残りが自転車やクルマなどの他の移動手段になっているそうだ。サービスの普及に伴い、都市部での自家用車の流入が減っているという。これは交通渋滞や大気汚染が解消し移動時間も短縮することにつながると期待されている。

高齢化社会を迎える我が国でも、MaaSが普及すれば移動の手段を持たない高齢者が容易に移動できるようになるだろう。また、過疎化が進み公共の移動手段が大きなコストとなるところでも移動手段を提供できるようになると期待されている。

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