「モノを知らない頑固なヤツ」になりたくない
「クラウドは仮想サーバーを提供するサービスだ。」
IT企業で働いていても、未だこの程度の認識しか持っていない人たちがいる。
「クラウドはガバナンスが効かない。セキュリティが心配だから使えない。」
ではなぜ銀行がクラウドへの移行に積極的なのだろうか。企業の財務会計や人事などの機密性の高いデータを扱う基幹業務をクラウドに移行する動きは大きなトレンドとなっている。米国のCIAはAWSを使い国防総省もクラウドへの移行を進めつつある。日本政府もまた「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表し、パブリック・クラウドの利用を第一に考えるようになった。しかし、こんな話しは初めて聞いたという人がいる。
「アジャイル開発はシステムを短期間、低コストで開発するための手法である。」
アジャイル開発とウオーターフォール開発の生産性比較をする記事を先日見掛けたが、アジャイル開発が現場のニーズにジャストインタイムで対応するための取り組みであること、業務の成果が明確で必ず使う業務プロセスだけを作ること、そして、それをバグフリーで提供する仕掛けや仕組みを含んでいることに何ら言及されていないことに違和感を感じた。
「人工知能」と「機械学習」と「ディープラーニング」の関係を理解していない、「セキュリティ対策とは情報やシステム資産を守る対策である」と考えているなど、上げればキリがない。
知識や常識、あるいは一般教養の価値は、それが直ちに仕事に役立つかどうかで判断すべきではない。自分の思考回路を固定してしまうこと、あるいは選択肢を狭めてしまわないようにするためであり、「モノを知らない頑固なヤツ」にならないためだ。特にITの世界は進歩や変化が早い。3年前の常識を振りかざしていると「モノを知らない頑固なヤツ」になってしまう。
今年、7月と8月に200名ほどの新入社員を相手に「最新ITトレンド」の研修を行った。そして、その多くが上記のような誤った理解をしていた。たぶん、先輩や上司からそのように教えられたのだろう。そういう新人たちがお客様に言って間違ったことを伝えてしまう。これでは日本はいつまで経ってもIT後進国だ。
このような情報はなにも機密情報ではない。ネットや雑誌、本を読めば分かることばかりだ。それでもそういう知識がないのは、ITに関心がないからだろう。言葉を換えれば、自分の仕事に対するプライドがないと言うことなのかもしれない。
プライドや自覚がなければ、研修などと言うものは何の役にも立たない。だから、研修ではそれも合わせて考えさせなきゃいけないと思っている。半日や1日の研修で得られる知識など限られている。だから、自分の仕事の価値や役割、そのためにはどのようなマインドを持たなきゃいけないのかも合わせて伝え、仕事へのプライドを持ってもらうことが大切なのだと考えている。そうすれば、自ら学び続けるモチベーションを育み、知識を自分の糧とする術を身につけられるようになる。
特に、新入社員の時代にそういう意識を持ってもらえるようにすることが大切だと思っている。残念ながら、ある程度歳を重ねると新しいことを受け入れるより、現実についての理解を調整して自分の思考回路にあわせようとする人が増えてしまうからだ。こうなってしまうと、それを変えることはなかなかやっかいだ。
今日は新入社員に最新のITトレンドを教える研修がある。「モノを知らない頑固なヤツ」にならいための術もまた教えなくちゃね。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離
ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。
ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題
開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。
ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
クラウド・コンピューティング編
*変更はありません