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お客様と話すことが怖い営業の皆さんへ、そして、そんな部下を抱えるマネージャーへ

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あるソリューション・ベンダーの営業オフィースに伺うと、半分ほどの営業が、席を暖めていた。事務処理が忙しいのだろうか、それにしても、ちょっと違和感があった。リーダー格の営業に、そんな話しをしてみると驚きの答えが返ってきた。

「お客様に行くのを遠慮している。」

対人恐怖症でもなければ、出かけることを面倒だと考えているわけでもない。その証拠に、なにか用件があれば、直ぐにでも出かけてゆき、必要な仕事をこなしてくる。

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「これといった用事がないときに出かけていって、お客様の仕事を邪魔することが、申し訳ないと遠慮している。そういうことではないでしょうか。」

営業は図々しくなくてはならないと教えられた私としては、「お客様の仕事の邪魔をするのも仕事のうち。それで、ネタを集めてくるのが営業」といった感覚がある。しかし、彼らには、この常識は通用しないようだ。

お客様と顔をつき合わせて、世間話をはじめる。お客様に関心のありそうな話題を提供し、お客様の反応を見ながら、話題を膨らませたり、突っ込んだり。そんな会話のやり取りに、お互いに気付きがある。それは、彼にとっても価値があること。こちらにとっても、ビジネスのきっかけになる。双方にとって、無駄な時間ではないはずだ。それができない、あるいは、しようとしない。

「お客様のところへ出かけていって、何を話していいのか分らない。話題が広がらない、なんとなく気まずい沈黙。お客様にも無駄な時間をすごさせてしまう。それでは申し訳ない。」

だから、お客様のところに行けない、いやお客様に行くのが怖い。どうも、そういうことのようだ。やさしさなのか、それとも人とのコミュニケーションを楽しむことができないのか。なんとも納得がいかない。

怠けているなら、「バカヤロー」と怒鳴れば、多少なりとも効き目がある。しかし、「どうしていいのか分らない」、「怖い」と感じている相手に、「バカヤロー」は、効き目がない。むしろ、じゃあどうすればいいのだろうかという「不安」を与えてしまうことになる。

この会社は、大企業の子会社だが、いままでは、仕事は彼らが回してくれたので、売り込みの必要はなかった。大会社の子会社だから信用もある。親会社ではなくても、向こうから仕事の相談が来た。彼らには、「案件を探す」必要などなかった。親会社やお客様から与えてもらう仕事を抜かりなくこなすこと。ヒトやモノをスケジュールどおり調達し、事務処理も抜かりなく行うこと。クレームに対応し、社内や関係者を駆け回り、事態を収めること。それが、営業の仕事だった。

彼ら営業にとって、課題を探り、提案を仕掛け、関係者を回ってその気にさせて、プロジェクトを立ち上げるといった「売り込み」は、仕事の範疇にはなかったのかもしれない。

しかし、その状況は大きく変わってしまった。親会社も競合を求めるようになった。ITの需要が「守り」から「攻め」へとシフトする中、新しいテクノロジーや発想が求められる。「守り」のITに従事していたこの会社へのオーダーは、「サービスの品質はそのままにコストを下げて欲しい」というものに変わり、収益が、どんどんと抑えこまれている。この状況に対処するためには「攻め」のIT提案をすることや親会社以外の仕事を拡大しなければならない。そんな状況の中で、「営業なんだから、売込みをしてこい!」とマネージャーや経営者に正論を言われる。当然、反論の余地はない。

「じゃあ、どうすればいいんだ。いままでやったことがないので、教えてください。」と聞いても、「自分で考えろ」ということになる。特に、ベテランは悲惨だ。プライドがあるからカッコ悪いところは見せられない。過去の成功体験もある。なんとかしなければともがくが、やり方がわからない。「不安」がますます募る。

教えるべき立場にあるマネージヤーや経営者にも、過去の成功体験しかないから教えようがない。しかし、プライドがあるで、そんなことはいえない。だから、「オレが若い頃はなぁ」という自慢話になってしまう。しかし、彼の若い頃といまでは時代が違うので役に立たたない。その現実に目を背け、精神論だけを聞かされ、具体的な方法を教えてくれない。

「営業力の強化が、喫緊の課題」と経営者は語るが、では何か手を打っているのかというと、会社の現状とこれを乗り切ることの重要性を説き、あるべき姿、精神論を語り聞かせるだけだ。そして、「がんばりましょう、エイエイ・オー!」で終わる。

そんな話を聞かされても、「じゃあ、どうすれば?」となる。しかし、「できないのは、自分のがんばりが足りないせいだ。もっと、がんばらなくては」とこちらも精神論の域を出ない。しかし、成果は上がらないから不安になる。そんなことが、メンタル問題の引き金にならないかと心配になる。

あなたの会社はそんなことにはなってはいないだろうか。

KKDという言葉がある。経験と勘と度胸だ。KKDも大切だが、それだけでは、もはや仕事にはならない。また過去のKKDは、いまの時代には通用しない。

次代に即した知識やスキルを磨く必要がある。そして、お客様とコミュニケーション楽しむことができなくてはならない。これは、決して相手を邪魔することではなく、新たな知識や気付きをお客様に提供し、信頼をはぐくむことができる価値ある時間だ。たとえ、口下手であっても準備をすれば何とかなる。そんな楽観論も営業に求められる心の有り様だろう。お客様と顔を合わせ、ただニコニコして相槌を打つだけでは、ただの「いい人」で終わってしまい、仕事がうまれることはない。

冷静に、分析的に自分の状況を考えてみてはどうだろう。営業はお客様に夢や自信を与える仕事だ。そのための知識やスキルは十分だろうか。そんな原点に立ち返り、行動を起こしてみてはでうだろう。

大阪開催決定!新入社員のための最新ITトレンド・1日研修

「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」

こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。

IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。

そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。

参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。

*大阪での開催のご希望が多数寄せられたこともあり、大阪でも開催させて頂くこととなりました。

実施内容

  • 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
    • 【東京・第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
    • 【東京・第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
    • 【大阪】 9月07日(水)10:00〜17:00
      • *昼休み1時間、休憩随時
  • 東京会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
  • 大阪会場:株式会社アシスト・大阪セミナールーム/グランフロントタワーA
  • 定員:50名/回
  • 費用:1万円(税込10,800円)
    • 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
  • 内容:
    • ITビジネスの歴史と最新トレンド
    • クラウド・コンピューティング
    • ITインフラと仮想化
    • サイバーセキュリティ
    • IoT
    • AIとロボット
    • アジャイル開発とDevOps
    • これからのITとITビジネス

詳しくはこちらをご覧下さい。

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 増強改訂版

スクリーンショット 2017-04-24 12.36.16.png

  • 何ができるようになるのか?
  • どのような価値を生みだすのか?
  • なぜ注目されているのか?

「知っている」から「説明できる」へ
実践で「使える」知識を手に入れる

  • IoT とインダストリー4.0
  • AR とVR
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キーワードは耳にするけど、
それが何なのか、何ができるようになるのか、
なぜそんなに注目されているのか理解できてなかったりしませんか?

最新版(7月度)をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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最新版【8月版】を更改しました!
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大きな変更はありませんが講演資料を2本追加しました
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ビジネス戦略編 116ページ
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.8

サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット 127ページ 
【更新】コレ1枚でわかる人工知能とロボット p.10
【更新】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.11
【新規】自動化と自律化の領域 p.15
【新規】人工知能が奪っていくのは、労働ではなく定年かもしれない p.93

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT  105ページ
【新規】Wi-SUN p.56

サービス&アプリケーション・開発・運用編 70ページ
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発(2) p.17

サービス&アプリケーション・基本編  52ページ
変更はありません

クラウド・コンピューティング編 119ページ
【新規】クラウド・コンピューティング 3つの誤解 p.24〜28
  誤解1:調達の手段が変わるだけ?
  誤解2:ガバナンスが効かない?
  誤解3:コストは下がらない?
【新規】クラウドの見積り方(1) 訂正版 p.85

インフラ&プラットフォーム編 228ページ
【最新】セキュリティ対策対象の変化 p.112

トピックス編 60ページ
変更はありません

ITの歴史と最新トレンド編 15ページ
変更はありません

【講演資料】まだ自前でシステムを持ち続けるのですか? クラウドにまつわる3つの誤解と新しい常識
 ITベンダー・クラウド利用促進イベントでの講演資料
 実施日: 2017年7月06日
 実施時間: 60分
 対象者:中堅・中小企業 CIO/情報システム部門長

【講演資料】最強の営業とは
 全営業(約200名)を対象とした社内イベントでの講演資料
 実施日: 2017年6月29日
 実施時間: 60分
 対象者:某SIerの営業

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新刊書籍のご紹介

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人工知能、IoT、FinTech(フィンテック)、シェアリングエコノミ― 、bot(ボット)、農業IT、マーケティングオートメーション・・・ そんな先端事例から"あたらしい常識" の作り方が見えてくる。2017年1月6日発売
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