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汚い資料を平気で持ってくる残念な人たち

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「よくもこんな資料を平気で持ってきましたね。」

そんな言葉が、つい口を衝いて出てしまいました。あるITベンダーの営業が情報システム部門への説明資料に持ってきた資料です。内容について話しを聞く前のことですから、相手も意表を突かれたようでした。

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「まともなのは表紙と各ページのタイトルだけ。それはテンプレートのおかげですね。でもせっかくテンプレートがあるのにそれを無視したレイアウト、フォントもバラバラ、エクセルを中途半端に貼り付けてあって実に汚い。Web画面は必要ない情報まで切り取って貼り付けている。よくこのような資料で平気でいられますね。」

本人は「時間がなかったので・・・」と言い訳をしていましたが、それは時間の問題ではありません。営業としての姿勢の問題です。

伝えたという自分の満足のためではなく、伝わったという相手の真実のため

営業が「お客様に説明する」とはこの目的を達成することであり、説明に使う資料はそのための手段です。そのことが理解できていないとすれば、営業としての基本姿勢ができていないと言わざるを得ません。

「中身が良ければいいのではありませんか?」

いえいえ、決してそんなことはありません。おおよそ汚い資料は中身が整理されていないし、論旨も曖昧です。何を伝え、相手にどのような意識の変化をもたらしたいのかの作戦もありません。つまり、資料に明確な目的がないから汚くなるのです。

「美的センスが欠如している」わけではないのです。分かってもらいたい、分からせたいというような意志が無いのです。あるいは、「相手の時間を無駄にしたくない、だから短時間で効率よく確実に伝えたい」といった相手への思い遣りの足りなさかもしれません。そういう相手への誠実さの欠如が資料の汚さの背景に透けて見えるのです。

美しいとはイラストや図表の美的センスのことではありません。簡潔明瞭であり、筋立てができている資料は、喩えイラストや図表が多少美的センスに欠けていても誠意を感じるものです。「相手にわかりやすく伝えるにはどうすればいいのだろう」という相手への思い遣りがあれば、美的センスは必ずしも重要なことではありません。また、そういう想いで相手に接していれば、やがて美的センスなどは必要十分なレベルに磨かれてゆくものです。

汚い資料を平気で持ってくる営業によくあることなのですが、感情に訴えて納得させようという態度にでることです。感情に訴えかけることは営業行為として決して悪いことではありません。しかし、ビジネスは合理性であり、お客様にとっての価値は何かです。その論理を整理したのが資料であるとすれば、それが曖昧なままに自分たちの利益に引きずり込もうとしていると感じてしまいます。

また、そういう資料を平気で出させる会社も如何なものなのかと思います。営業資料は会社の姿勢の表明です。その品質を管理できていないとすれば、個人の問題ではなく、会社の問題でもあります。

こういう会社に仕事を任せると、打ち合わせや情報共有が効率よくすすみません。それは、相手に分かってもらいたいということへの気遣いがないわけで、自分の言い訳やら枝葉末節の説明がたくさん入り、最も大切な本質が埋もれてしまうからです。こういう会社とは仕事をしてもろくなことはありません。

資料とは営業の誠実さであり、会社の姿勢のあらわれです。それを意識することがまずは資料を美しくする最初の一歩かもしれません

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【更新】デジタルコピー/デジタル・ツイン p.20
【新規】「モノ」のサービス化(カメラ編) p.27
【更新】コマツの取り組みに新しい動画を追加 p.57
【新規】BIとAIの関係 p.127
【新規】なぜいまは人工知能なのか p.147
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