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【図解】コレ一枚で分かるシステム資産とサービス利用の歴史

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1950年代に入りコンピューターは軍事からビジネスへと用途を広げてゆきます。そして、1964年、IBMがいまのメインフレームの元祖とも言うべきSystem/360を発表しビジネス分野での利用は急速に拡大してゆきます。

その当時は、ユーザー企業が、インフラ、プラットフォーム、アプリケーションを占有または所有する場合が一般的でした(注釈)。

1999年、Salesforce.comが創業し翌2000年よりCRM(Customer Relationship Management)システムをインターネット越しにサービスとして提供するようになります。まだ「クラウド・コンピューティング」という言葉が世に出る前のことですが、振り返ればアプリケーションをサービスとして提供するSaaS(Software as a Service)の先駆者と言えるでしょう。

2006年、AWSがサービスを開始します。サーバーやストレージをサービスとして利用できるようにしたもので、これがIaaS(Infrastructure as a Service)の始まりです。2009年、「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」が発表されます。これによりセキュアなネットワークを介してサーバーやストレージの機能を利用できるようになりました。この動きに追従するように各社も同様のサービスを提供しはじめます。この頃から業務システムをIaaSで動かし、設備の維持や管理、サーバーの構築や運用に関わる負担を軽減しようという取り組みが始まります。

2006年、Salesforce.comがForce.comを、2010年、マイクロソフトが「Windows Azure Platform(現Microsoft Azure)」というサービスをはじめます。IaaSと異なりインフラだけではなく、OS、開発環境、データベースなどのミドルウェア、つまりプラットフォームを提供しようとするものでした。これがPaaS(Platform as a Service)です。ユーザー企業は、PaaSによりプロラットフォームの導入や運用管理、障害対応に関わる負担から解放されるとともに、システムの利用規模などに応じて柔軟に処理性能を向上させることができるようになったのです。これによりユーザーはアプリケーションの開発や運用に専念できるようになりました。

さらに最近では、PaaSで提供される人工知能やIoTなどの様々な先進的な機能を取り込むことや、SaaSが提供する機能をAPI(Application Program Interface)を介して利用し、アプリケーションの開発生産性を高め、付加価値を高める取り組みも拡大しています。

このように見てゆくと、ユーザー企業は独自性や差別化を求められるビジネス・プロセスとそこから生みだされるデータを自前の資産として残す一方で、インフラやプラットフォームはサービスとして利用し、アプリケーションは高度な先進機能を素早く取り入れ、短期間で開発し、変更にも即応できる環境を築く方向に進むものと考えられます。

注釈:IBMは当初自社コンピューターをレンタル/リースでユーザー企業に提供していました。この場合、IBMの資産となりますが、ユーザー企業がそれを占有して使用していました。その後、ユーザー企業が購入することも可能となります。また、「電算センター」といって、計算業務を受託する業務があり、当時高価なコンピューターを自前では持てない規模の企業が計算業務を委託していました。

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