オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

【図解】コレ1枚でわかる人工知能との付き合い方

»

私たちは、人工知能とどう付き合えばいいのでしょうか。

ai001.png

人間と機械との「自然な関係」を築く

Amazonが「Echo」というネット接続機能付きスピーカー端末を米国で発売しています。このEchoには、「Alexa」という人工知能が搭載され、話しかけると音声を認識し、指示されたとおり処理してくれます。例えば、Amazonのショッピング・サイトとつなぎ、「この商品をお気に入りに追加して」、「(商品名)を注文して」、「(作家名)の最新作をKindleに入れておいて」といえば、それで済んでしまいます。また、AlexaはAmazonの「Fire TV」にも組み込まれて、「スターウォーズの最新作を見せて」と指示することもできるようになるそうです。さらに照明や空調の制御までできるようになっています。

外部サービスとの連携も期待されており、配車サービス「Uber」とつながれば、「車をよこしてくれ」というだけで自動車の手配をしてくれるようになるでしょう。また音楽配信サービス「Spotify」とつながれば、「(アーティスト名)の音楽を流して」などと指示すればその音楽を探して流してくれます。

さらに「キット、ガレージから出ておいで」とEchoに話しかけると、ガレージの扉が開いて電気自動車の「TESLA」が出てくるシーンもビデオで紹介されています。ちなみに「キット」とは1980年代に米国でTV放映されたドラマ「ナイトライダー」に登場する人工知能(?)搭載の自動車の名前です。

このような自然な対話で指示ができるようになれば、難しい操作や面倒なキーボード入力は不要になり、IT利用の裾野は大きく広がるでしょう。そんな楽に使えるならそのサービスを使おう、その製品を買おうと言うことにもなります。

このような人間と機械との「自然な関係」を築こうというのが人工知能の役割の1つです。

膨大なデータから「仮設」を見つけ出す

ソーシャル・メディアやIoTによって集められた膨大なデータから価値ある情報や洞察を見つけようというのも人工知能の役割です。

精緻で網羅的に現実を写し取ろうとすると、データは膨大になってゆきます。しかし、それは同時にそれを解釈し整理することを難しくします。この矛盾を解決し、膨大なデータに潜む規則性や構造を見つけ出してくれるのが人工知能です。

かつてコンピューターは人間が立てた仮説に基づき処理フローを描き、それに従ってプログラムを作っていました。例えば、「こういう手順で仕事を進めれば、仕事の効率は良くなるはず」と経験者の知見や体験を踏まえて仮説を立てて、それを前提にプログラムを書き処理させることで効率を上げてきたのです。しかし、そのやり方が最適なのかどうかは、わかりません。

一方、人工知能は、その仮説を膨大なデータから見つけ出してくれます。これまでのやり方とは正反対のアプローチです。データに裏付けられた仮説は時にして人間の経験や勘と一致しないこともあります。しかし、「人工知能が膨大なデータを解析して導いた最適解」を実際に試してみたら「人間の経験や勘から導いた最適解」よりも優れていた事例が数多く報告されています。

Alpha Goの場合も同様で、人間の最高の英知を打ち負かしたとすれば、それは紛れもなく「最適解」だったのです。しかし、人間の経験や勘がうまく説明できないように、人工知能もなぜそのようになったかを教えてはくれません。そこで、プロ棋士たちは、Alpha Goがなぜそんな手を打ったのかを考え、これまでの常識を見直そうとしているそうです。見方を変えれば、人工知能の進化が人間の進化を促しているとも言えるでしょう。人工知能にはそんな役割もありそうです。

状況や変化を読み取り自律的に動作する

モノそのものや周囲の状況、あるいはその変化を学習し、自身で判断・動作する自律化の能力を実現してくれるのも人工知能です。例えば、自動運転自動者や自ら職人技を身につける産業用ロボット、自動で土木工事をしてくれる建設機械などは、そんな自律化の適用例です。

これまでは人間がやらなければならなかった判断を人工知能が行い、その機能が組み込まれたロボットが自律的に行動するといったことが、身近なものになってゆくでしょう。

AmazonのEchoやGoogleのAlpha Goなど、人間の能力に匹敵するかそれ以上の能力を人工知能は発揮します。しかし、現実を冷静に見れば、音声認識、画像認識、対話応答、自動翻訳などの「特定の知的作業」の中のことであり、それらを組み合わせた「総合的な知的作業」となると、まだまだ課題は残されています。例えば、「こういうことをしたいが、どのような技術を組み合わせれば、実現できるだろうか」を考え、その組合せを実現する能力は人工知能にはありません。将来、そのような人工知能が実現するかどうかは分かりませんが、そのようなことを不安に思うより、既に実現している現実的な能力や役割に注目し、自社のサービスや商品に取り込んでゆくことを考えてみてはどうでしょう

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年5月版】

LIBRA_logo

*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

【大幅改訂】新入社員研修のための「ITの教科書」

最新版【2016年5月】をリリースいたしました。

今月の目玉は「新入社員のための研修教材の追加」と「IoTや人工知能についての資料を大幅に追加」したことです。ご活用下さい。

【新入社員研修教材「最新のITトレンド」・2016年版】

最新のITトレンドについての新入社員向け研修教材として作成致しました。内容は、月次に更新している「最新のITトレンドとビジネス戦略」からの抜粋です。

加えて、以下のドキュメントもダウンロード頂けるようにしました。

  • 事前課題(Word形式)
  • 理解度テスト(Excel形式)
  • 最新ITトレンドの教え方(PPTX形式/解説をノートに記載)

本教材の各ページには、できる限り解説を併記しています。ただ、未記入のものもありますが、今後の更新にて順次追加致します。

【最新のITトレンドを理解するための基礎知識】

主に新入社員を対象に、最新のITトレンドを理解するために知っておくべき基礎知識を改定しました。プレゼンテーションに加え、解説文(教科書)も合わせて掲載いたしましたので、自習にも役立ちます。

【インフラ&プラットフォーム編】(266ページ)

  • サービス編と重複する内容を削除すると共に、全体の順序を変更しました。
  • 「クラウドによる新しい組合せ」を追加すると共に、解説文を掲載しました。p.27
  • 「ASPとPaaSの違い」を追加しました。p.58
  • 「マルチテナント効果」を追加しました。p.59
  • 「Oracle 12cのマルチテナント・アーキテクチャ」を追加致しました。p.60
  • 「Amazon API Gateway」を追加致しました。p.63
  • 「ITで変わる働き方」を追加しました。p.178

【サービス&アプリケーション編】(224ページ)

IoT

  • 「モノのサービス化」を新規追加し、解説を加えました。p.27
  • 「製造業のサービス化」を新規追加しました。p.31
  • 「IoTで変わるビジネス価値」を新規追加し、解説を加えました。p.32
  • 「ビジネス価値の進化」を新規追加しました。p.33
  • 「機器のイノベーションとビジネス戦略」を新規追加しました。p.41
  • 「CRMとトータル・エンジニアリング・サービス」を新規追加しました。p.55

スマートマシン

  • 「人工知能と機械学習」を改訂し、解説を追加しました。p.144
  • 「人工知能の4レベル」を改訂し、解説を追加しました。p.145

【ビジネス戦略編】(92ページ)

  • 「戦略・作戦・戦術とIT」を改訂しました。 p.12
  • 「商品としてのITの作り方」を追加しました。p.13

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。
http://libra.netcommerce.co.jp/

まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

si_saisei_w400

  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー
Comment(0)